2013年02月20日
トリーター:杉村

メンダコ ニュース!!


みなさん!またまたニュースです!!

メンダコ生きてます!!
展示公開しては 2日程度で終了・・・を何度か繰り返してきました。
安定して飼育展示ができないということは、飼育係として情けなくもあり、恥ずかしい限りであり、何よりもとても辛いことなのです。
「今回は大丈夫かな?」
「生きているかな?」
「今回は調子が良さそうだ・・・でも」
などと考えてしまい、毎回毎回メンダコが水族館にやって来ると眠れない毎日を過ごしています。
1日でも長く飼育し、その知られざる生態について明らかにしていくことは水族館の大事な仕事の一つです。

今回の「メンダコ チャレンジ」では、輸送方法や水温・照明などいろいろと工夫しました。
そして、採集状態が良かったことも相まって 2月 20日現在で 7日間生存しています。
只今、“えのすい”での飼育記録を更新中です!!

そこで、この 7日間でメンダコについて思ったことがあるので、ちょっと書き込みたいと思います。

それは、ほとんど泳がないことです!!

“えのすい”ムービーでも、館内の解説板でもメンダコが耳のようなひれをヒラヒラと動かしてパコパコ泳ぐ姿が流れています。
また、深海の映像に映っているメンダコの仲間もよく泳いでいますね。
メンダコを知る多くのみなさんが、この小さな耳をヒラヒラ動かすし草や泳ぐ姿が普通であり、また「かわいい」と思っていただけているのだと思います。
・・・かくいう私もその一人ですから。

しかし、現在生存しているメンダコは水族館へ搬入した直後から水底に埋もれるように、ベタッーとまるで「スライム」のようにしていました。
今まで水族館にやってきたメンダコたちは、体を伸ばすように持ち上げて「ベル」のような形になって、しばらくするとパコパコと泳ぐようすが見られました。
見た目は非常にかわいらしかったのですが・・・
すべて残念な結果になってしまいました。

・・・ということは、状態がよいと思われるメンダコは今回のように水底でスライムのようにじっと動かないのではないでしょうか。(あまりかわいらしくない?)
これはあくまでこの 7日間で推測したことなので、この先さらに飼育を続けて観察をしていかなくてはハッキリとは分かりません。
これからも 1日でも長く飼育を続けて、メンダコの真の姿を解明していきたいと思います。

深海Ⅰでメンダコ水槽を覗きこんでいるトリーターがいましたら、それはきっと・・・私です。
メンダコを見ていて何か気付いたことがあったら、ぜひ、気兼ねなく声をかけてください。

毎朝、メンダコ水槽を覗いては「ホッ」として胸をなでおろしています。このチャレンジが続く限りまだまだ、眠れない夜が続きそうです。

関連日誌
緊急トリーター日誌


※トリーターからのお願い
深海生物ですので、フラッシュや強い光を使用しての撮影はご遠慮ください。

メンダコメンダコ

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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