2013年06月17日
トリーター:杉村

JAMSTECとの共同研究「シロウリガイの長期飼育実験」その 2

シロウリガイの長期飼育実験中シロウリガイの長期飼育実験中

さて、今回は前回の長期飼育実験スタートに続く、第 2弾です。
前回の飼育水槽をサイエンスチックに表したいというお話の詳細と現状です。

今年 4月にシロウリガイの長期飼育実験をスタートさせ、現在約 2か月が過ぎきょうで 68日目を迎え、昨年記録した 153日の長期飼育の半分近くが過ぎた所です。
やっと折り返しといった感じですね。
153日・・・長いですね。
毎日、毎日、「先が長いなあ~」と思うちょっと不安なドキドキな日々が続いています。

“えのすい”では海洋研究開発機構(以下JAMSTEC)との共同研究「深海生物の長期飼育技術の開発」をおこなっています。
深海生物であるシロウリガイの飼育はこれまで非常に困難で、“えのすい”での飼育開始当初の数年前では 3日間で、それが昨年には、その 50倍にあたる 153日にまで達しました。
(ちょっと前回のおさらい・・・、詳しくは前回の日誌をご覧ください)
前回までは水槽水底にセンサーを置いて測定を考えていましたが、4月から試行錯誤を繰り返して、測定試験がさらに進展し本格的にJAMSTECと共同で飼育水槽の解析が始まりました。
最先端の研究技術を誇るJAMSTECの研究者のみなさんとのディスカッションは、とても勉強になります。
次々に新たな提案が出され、試験が変化していきます。
目からウロコなことが、たくさんです。
当初の水底近くからさらに進んで、もっと深くまで測定しようと試みがなされ、センサーの形状もより環境に影響を及ぼさないような形状になりました。
その結果、当初考えていた場所よりさらに深いところまで測定が可能になりました。
(協力していただいている研究者のみなさんに感謝です!!)

今では、深海Ⅰの一番大きな化学合成生態系水槽内のシロウリガイの飼育エリアの泥の上に 6つの測定地点を設け、それぞれの泥の中の硫化水素を測定しています。
まだまだ、解析というまでは達していませんが、私たちが思ってもいなかったような結果が出てきそうな気配が・・・。
協力をいただいている研究者のみなさんとともにちょっとワクワクしています。

これで、毎日続いている「ドキドキ」が「ワクワク」の楽しみに変わって、ほっとしています。

更なるシロウリガイの長期飼育記録の更新を目指し、そして飼育環境の解析を進めたいと思います。
深海生物の飼育技術を開発し、より多くの深海生物の研究に役立てるよう頑張りたいと思います。
このJAMSTECとの共同研究の成果を、みなさんにお伝えできる日を夢見て!!

バックナンバー
2013/ 04/ 13 シロウリガイの長期飼育実験スタート!!

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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