2013年11月12日
トリーター:石川

動画記録

フンボルトペンギン「サン」(右)と「ムーン」(左)フンボルトペンギン「サン」(右)と「ムーン」(左)

フンボルトペンギンの「サン」と「ムーン」が生まれた時から動画を撮り始めてもう 1年と 196日。
ほぼ毎日、給餌などの状況を記録していますが、その他にも体重測定や体温測定のトレーニング、新しい担当者や実習生がおこなう給餌の状況、繁殖行動など、今ではさまざまな記録を撮っています。

給餌やトレーニングで個体の状態が変わった時には、過去に戻って確認することができます。“このあたりからようすがおかしい”など、その原因につながる状況を把握したりすることにもつながります。
トリーターは交互に休みを入れているので、従来は文章で前日のようすを伝達していましたが、動画記録があると文章では伝わりにくいことも明確に伝えられます。

動画には個体の個性的な行動や癖なども記録されています。
普段私たちが見慣れている個体の個性などはだんだん気にならなくなってしまいがちなのですが、改めて見てみると“変な癖”だったりします。

また、怪我や病気の経緯、検査の状態も写真より周囲の動きが見えてくるので、そこにいなかった人へも状況を伝えやすくなります。
経過がわかることでそのためのリハビリなどの良し悪しも追うことができます。

当館のペンギンたちは(他園館の個体はわかりませんが・・・)、ビデオカメラ類(筒状のタイプのカメラ)に異常な警戒心を持っています。
別に何かした記憶はないのですが、外から撮影していても、遠目に意識しているのが良くわかります。
しかし、デジタルカメラで動画が撮れるようになってからは、以前に比べて数段に警戒心を抱かせずに動画撮影ができるようになり、自然体のようすを記録できるようになりました。
私たちトリーターは動物を観察するのが仕事ですが、24時間見続けるわけにもいきません。そんな時にも録画は、後で早回しして、異常がないか、何をやっていたかなどを確認することができます。

あくまで記録として撮影しているのですが、時々見せてくれるなかなか見られない様子などもいずれご紹介できたらいいなと思っています。
なかなか狙って撮れるものではないので、たまたま他の撮影をしていたら記録されていたというものになりますが、動画がたまればたまるほどそういったものを探すのは大変な作業になってしまいます。
子供の記録を撮りためている親御さんの心境がよくわかります。

ペンギン・アザラシ

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