2014年01月09日
トリーター:植田

冬の湘南風物詩は何処へ

先日、私にとっては今年初めての水族館お泊り-当直業務を担当した時のことを一つ。

夜間当直業務の作業の中に、動物や水槽の状態を確認するための見回りがあります。深夜に館内を見回わるのですが、その途中で夜の海岸の様子にふと目をやることがあります。
イルカショースタジアムの西の端、スタンドの脇から外を見やるいと、当館の前浜は片瀬海岸と呼ばれる砂浜で、そこから西方に鵠沼・辻堂・茅ヶ崎・・・ と湘南の海岸線が一望できます。
年末から早春にかけてのこの時期、海岸線に街灯を灯したように点々と光がきれいに並びます。
遠い外洋で新しく命を受けたウナギたちは徐々に成長し、シラスウナギと呼ばれる段階にまでなります。
川に遡上する前、海岸にやってくるシラスウナギを灯火で呼び寄せて、独特のタモ網ですくい取るシラスウナギ漁の灯火が光の正体です。
今年ももう始まったかなと思いきや、海岸線に灯されているはずの灯りが全く見当たりません。
海岸線とちょうど並行に走る国道 134号線の道路の灯りが少し陸側に入ったところに連なって見えるだけです。
まだシラスウナギの漁は始まっていないのでしょうか?
そのあたりの情報に詳しい同僚に聞いてみたところ、ここのところ何年間もシラスウナギはひどく不漁が続いているそうです。そのため、湘南海岸辺りではシラスウナギの漁を諦めた漁師さんも多いのかもしれません。

さて、きょうの日中は割に大きなうねりが入ってきていました。
今夜シラスウナギの漁に出ている漁師さんはおられるでしょうか。

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