2014年10月25日
トリーター:西谷

そろそろ一か月

バンドウイルカ「ミュー」の赤ちゃんが生まれてからそろそろ一か月。きょうは赤ちゃんが生まれた日のようすについてお話しします。

午前 8時 10分。開館準備をしていると、赤ちゃんの尾びれがでているとの連絡が!
急いでブリーディングプールに向かった私たちは、記録撮影組・プールの四隅でスタンバイ組にわかれてひたすら待ちました。
私も四隅の一角に立っていましたが、1時間はかかるのだろうなーとのん気に「ミュー」のようすを見ていました。しかし、そこからなんとたったの 40分で全身がひゅるっと出てきたのです。

いきなり水中に現れた赤ちゃんは、まだ尾びれがしっかりしていないのか泳ぎがよろよろ。それを助けるように「ミュー」は赤ちゃんの横についてサポートをし始めました。

その日は一日中みんなで交代しながら赤ちゃんを見守りました。私は当直だったので夜も見ていたのですが、ひょろっとした体にぎこちない泳ぎ、必死さが伝わってくる呼吸。おっぱいを探しているそぶりはみせるけれども「もっと下だよー」と教えてあげたくなるような場所を探っている姿。本当に無事に育ってくれるのかなと不安も感じました。しかし、さすがベテランママの「ミュー」。弱々しい姿をしていた赤ちゃんも、「ミュー」が一生懸命育ててくれているお陰で今ではちゃんとイルカらしい体つきになっています。

もちろん私がイルカの出産に立ち会ったのは初めてで、生まれたての赤ちゃんを見たのも初めてでした。
予想していた以上に細くてか弱く、当直明けで家に帰ってからインターネットで「バンドウイルカ 赤ちゃん」と検索し、他の子と比べてもやっぱり細いし大丈夫なのかなと余計に不安になったことも、今となってはいい思い出です。

すでにたくましい姿になった赤ちゃんは、最近おばさんイルカの「シリアス」と一緒に泳いでいることもあります。
そのとき「ミュー」は何をしているのかというと、ここぞとばかりにゆっくりと休んでいます。
子育てはきっとかなりのエネルギーを使うのでしょうね。

今後も「ミュー」と赤ちゃんを温かく見守ってくださいね。

イルカショースタジアム

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