2014年11月28日
トリーター:唐亀

今週のおすすめ

アメフラシアメフラシ

例年だと年も押し詰まったころの気温がかなり下がった頃に見られるメジロですが、今年はすでに道路沿いの植え込みで遊んでいます。その植え込みには、例年であれば11月に入る頃には見られなくなるクサグモが細々と見られます。また、季節来遊魚も今一つでしたし、実はタコクラゲも見られなかったのです。何か今年は少し違うような気がします。

いつもは春先になるとタッチプールにやってくるアメフラシがすでにお目見えしております。近縁のタツナミガイはすでにタッチプールにおりましたが、元祖アメフラシです。タッチプールのお話ですが、今回は「触ってみてください」ではなく「観察してみてください」ネタです。

ぬめぬめしたアメフラシ。ブキミなイメージが先行しそうですがそんなことはありません。分類学上は巻貝で、彩り鮮やかなウミウシの仲間になります。
アメフラシの寿命は一年で、春先から初夏は産卵期に当たり、磯に大挙して集まるため目にする機会が増えるのですが、寿命が近いからか不活発で丸まっていることが多いのですが、今回の個体たちはまだ若々しく、実に活発に動き回ります。ちょっとでも高いところが良いらしく、貝殻に乗っては体をいっぱいに伸ばして周りを探ったり、大きくエビぞってみたり、アオサをもぐもぐ食べたりと見ていて実に楽しそうなのです。ヤドカリの上に乗ってしまい、急にヤドカリが歩き出してしまったときは、降りたくても降りられなくておどおどしているようすがまたかわいかったです。口元の触覚も大きく広げていろいろな所を探ります。その時の顔がウマヅラコウモリのようで恰好良いですよ。

アメフラシは英名「Sea hare(海うさぎ)」といいますが、顔の造りやアオサをもぐもぐ食べるようがうさぎに似ているからなのかなと思っていたのですが、よーく観察していると・・・。この若いアメフラシたちはアオサを食べるときにかなり上半身を持ち上げます。この時、口のすぐ下にある足板でアオサを挟んで口に運びます。この時の姿がうさぎが前足で菜っ葉を持って食べているように見えるのです。このしぐさはかなりかわいらしいです。

アメフラシはかなり体が柔らかく繊細ですので、ちょっと触ると縮んで丸くなってしまいます。今、自由奔放に動き回るアメフラシをご覧になるのは平日のイルカショーが始まってからがおすすめです。“えのすい”のアメフラシをタッチプールでウォッチしてください。

タッチプール

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