2015年02月28日
トリーター:加登岡

二つの姿勢

通常のステイション(「ミレニー」)通常のステイション(「ミレニー」)

私たちはいろいろな合図でイルカたちとコミュニケーションをとっています。
合図を出すときは、トリーターの正面に位置し、お腹をこちら側に向け、頭を水面から出し、両目でしっかりと見ているときに出します。
これが合図を出すときのイルカたちの基本姿勢となります。私たちは「ステイション」と呼んでいます。
この姿勢が崩れているときはイルカたちが周りを気にして集中しておらず、合図を出してもうまく答えてくれないことが多いです。

そして最近ではもう一つ新しい基本姿勢を作っています。それは背中をこちら側に向けた状態です。これを私たちは「前向きステイション」と呼んでいます。この姿勢を作ることで種目のバリエーションを増やすことができるのです。


前向きステイション(「マリン」)

どちらの姿勢であっても出される合図自体は同じです。そのため、合図を出されたときの姿勢でその種目の動きをすればいいのです。しかし、姿勢が変わると合図の見え方が違うためか、通常なら応えられる合図でも何がなんだかわからなくなってしまうことがよくあります。

最近、「ルイ」と練習をしているときのことです。吻先で勢いよく水を吹き上げる「水吹き」という種目を、前向きステイションの状態でおこなうトレーニングをしていました。
この水吹きの合図は「左手を手首から上に振り上げる」なのですが、前向きの姿勢にすると全く反応しません。しまいには違う種目をしてしまいます。
どうしたものかと試しに右手で同じ合図を出してみました。するとしっかりと「水吹き」をしてくれるのです。

「ルイ」は右眼でよく物を見ているので、右眼側に来た合図の方がわかりやすかったのかもしれません。しかし、本来の合図は左手で出すので、今後は左手の合図でしっかりと応えてくれるようにトレーニングを続けて行きます。
イルカたちがトリーターに背を向けて、練習している姿が見られるかもしれませんので、ぜひ遊びに来てください。

別件ですが、今月私と鈴木さんで担当させていただきました、“えのすい”バックヤードツアー「イルカ・アシカ編 2」も本日で最終日となりました。ほぼ全日程完売でたくさんのかたに参加していただくことができました。早いときでは開館 10分でチケットが完売してしまう日もあり嬉しい限りでした。
みなさま、ご参加いただきありがとうございました。
あしたからはいよいよ、開業 10周年記念の“えのすい”バックヤードツアーの最終章である「総集編」が始まります。こちらもぜひご参加ください。

[えのすいバックヤードツアー「総集編」]

イルカショースタジアム

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