2016年03月10日
トリーター:加登岡

1017日ぶりに

「ミュー」の体重測定ができました。

イルカたちは体調管理の一環として毎週 1回体重測定をしています。
この体重測定の結果から餌の量や魚の種類を変えて目標の体重に沿うように健康管理をしています。
他のイルカが週に 1度行っているのに対し、「ミュー」がなぜこんなにも長い年月期間が空いてしまったのかというと、飼育場所が関係しています。

「ミュー」が暮らしているブリーディングプールには陸場がありません。昨年のトリーター日誌(2015/ 07/ 22 新たな取り組み 2)でも陸場がないため他の個体とは違った方法で採尿をしていることを書きました。ですが、今回体重を計るにあたりわずかにあるスペースに体重計を設置することにしたのです。

通常はイルカに対して、体重計は真っ直ぐに設置されます。しかし、今回は斜めに設置することになりました。角度があり乗り難い分、「ミュー」には頑張ってもらわねばなりません。もともと体重計が設置しやすいプールにいたころでも体重計に乗るのはあまり好きではありませんでした。そのため、体重計が斜めに置かれていることは、「ミュー」にとって少なからずハードルが上がっています。

実際に体重計を前にし、乗ってねと合図を出すと、顔をのけぞらせて嫌がってしまいました。さらにはどこかに行こうともしていました。しかし、こちらも粘ると顎先だけとりあえず体重計の上に乗せてくれたのです。もちろんこれでは体重は計れませんが、頑張ってくれた「ミュー」を最大限褒めます。そして、もうちょっとだけ頑張ってと、また合図を出すと意を決したのか、勢いよく体重計の上にあがって来てくれたのです。
「あがった!!」と喜びそうになりましたが、まだ油断はできません。体重計の上で動いてしまうと数値がうまく出ず測定できません。しかしこちらの心配をよそに、一度台の上に上がると「ミュー」も動かずじっとしていてくれたのです。この瞬間に 1017日ぶりの体重測定成功です!

さらにはその次の週にも体重計に上がってくれ 2週連続測定ができました。まだまだすぐに体重計にあがって来てくれはしませんが、少しずつ練習をして慣れてもらえればと思っています。

イルカショースタジアム

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