2016年03月27日
トリーター:杉村

メンダコチャレンジ 2016 終章

メンダコメンダコ

今年のメンダコチャレンジは、先日の 25日をもって終了しました。
最高飼育日数は 32日間、次いで 28日間でした。
昨年の 48日には遠く及びませんでした。
毎年、10~ 20個体は水族館に持ち帰ることができるのですが、なかなか生きません。
その多くは、1週間ほどで死んでしまいます。
それでも 2~ 3割の個体が 20日以上生きるようになってきました。
進歩ですね。
でも・・・
何で死んでしまうのか・・・
いまだに不明です。

これまでの飼育で、メンダコの行動がいろいろなことが見えてきました。
薄暗い水槽の中で、瞬きしたり、ミミをパタパタ動かして時折泳いで移動していること、気に入った場所を行き来するようなことも観察からわかっています。



特に餌の獲り方も飼育を重ねるごとに、自然界ではどんなふうに餌を食べているのか想像できるようになってきました。
体の上に餌であるエビをのせてあげると、短い腕を使って捕まえると素早く口へ運びます。
ちょっと変わっていますよね。
餌は、体に触れさせた方が良く食べるんです。
解剖の結果からメンダコの胃の中からヨコエビ(小型の甲殻類)の殻が見つかっていますから、きっと自然界では海底で砂の埋まりながらじっとしている所へ、ヨコエビなどの小型の甲殻類がメンダコの上に這いあがってきたところを捕えて食べている・・・のかも、というようなことが想像できます。
これまでの摂餌行動から想像できることです。
立証できていませんので、あくまで私の想像ですけど・・・。
次回は、この想像(仮説)を立証できるよう頑張りたいですね。

飼育のようすから海底での生活が想像できるようになってきました。
飼育をしてこその成果ですね!
でもまだまだです。
どうして死んでしまうのか。。。このことをクリアしなければさらに先のことは分かりません。

次回、メンダコチャレンジ 2017では、もっといろいろなことが分かってくることを信じて準備したいと思います。


深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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