2016年04月15日
トリーター:岩崎

金色に輝く浮袋を持つ魚

真鶴半島沖を進む真鶴半島沖を進む

先日湯河原福浦港の天恵丸さんにご協力いただき、神応トリーター、鈴木トリーターと乗船釣採集に出掛けました。
今回のターゲットは“ギス”。相模湾では“オキギス”とも呼ばれています。

出船前 日の出 ・ 釣り開始

福浦港を朝 6時頃出船して、真鶴半島沖の水深 200~ 300mの深海を攻めました。
ギスには柳の葉状の形をしたレプトケファルスという幼生期があり、分類学的にはウナギやアナゴなどに近い種類の魚です。

ツノザメヒット ・ フトツノザメ釣り

小田原では、高級蒲鉾の原料として知られています。
ギスは、鱗が剝がれやすく身が柔らかい、非常にデリケートな魚で、生きた状態で搬入することが非常に難しいことから、釣採集での入手をチャレンジすることにしました。

ユメカサゴ釣り ・ ギス初ヒット

ギス釣り

糸にからまったギスの粘液(右)

帰港

搬入 ・ ギスの浮袋

結果としては、釣りでも釣り糸に粘液がべっとり張りつくほど体が擦れてしまい、釣り上げた 3割程度は生かした状態で搬入することができましたが、残念ながら展示するまでには至りませんでした。
チャレンジして新しくわかったことも多いので、今回の経験を次に活かしたいと思います。
ギス以外には、ユメカサゴとフトツノザメを釣り上げて搬入することができました。
深海ザメの仲間であるフトツノザメは、タカアシガニ水槽に展示していますので、ぜひご覧ください。

フトツノザメ

せっかくなので釣り上げたギスを食べてみました。
捌いてみて驚きました。浮袋が金塊のように輝いていたのです。
浮袋は水中で浮力を調整する役割があり、白っぽい膜に覆われた袋状になっていることが普通なのですが、なぜギスの浮袋は金色に輝いているのでしょうか?
まったくもって不思議な魚です。
天ぷらと煮つけにしてみたところ、小骨が多いことが難点ですが、ウナギやアナゴに近い魚らしくふっくらとした柔らかい身は、とてもおいしかったです。
船長さん曰く、一晩冷蔵庫に置いてから、すり身にして鍋に入れてもおいしいとのことです。
ギス専門に釣ることは少ないと思いますが、外道で釣れた際にはぜひお試しください。

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