2016年11月11日
トリーター:鈴木

船釣り採集

こんにちは、鈴木です。
ご報告が遅くなりましたが、先月真鶴沖に釣り採集に行きました。
狙いはシキシマハナダイやヒメ、ソコイトヨリといった深場の五目釣りで、なかなか入手ができないものばかりです。

まずは、シキシマハナダイを狙いに沖へ。
あんなにきれいな魚が本当に釣れるのか・・という不安を抱きつつ船長さんが指定したポイントへ。
水深 80m程度の海底に仕掛けを落すや否や、ググッと確かな当たりがありました。
慎重に巻き上げると、色鮮やかな魚泳が水面に上がってきます。
これは正真正銘シキシマハナダイです!
感動もつかの間、やはり深場から上がってくるため水圧の変化で、船槽に入れるとお腹が膨れ浮いてしまっています。


生簀の中のシキシマハナダイ

すかさず処置を施しますが、なかなかうまく泳いでくれません。
状態は良さそうなのになんで・・。


圧力処置のようす

その後も立て続けに釣れましたがうまく生かせず・・。
これは今後の大きな課題となりそうです。


生かせなかったシキシマハナダイ

ただ、複数のシキシマハナダイが水槽いっぱいに泳ぐ姿、想像しただけで溜息が出るほど魅力的です。
今回は全敗でしたが次回はいろいろと作戦を変えて臨みたいと思います。

その後、ヒメに狙いを変えます。
この魚もそんなに他では見られない魚なんですが、「たくさん釣れますよ」と船長さん。
いった通り入れ食いで、目標数が 1時間もかからず集まってしまいました。
相変わらず船長さんの経験と読みは本当に凄いです。毎度のことながら、いった通りの魚が釣れるのに驚かされます。
ヒメは圧力変化には強い魚ですので、船槽でもピンピンしています。とりあえず成果をあげたので一安心。

最後に岸近くに移動し、イトヨリダイの仲間のソコイトヨリを狙います。
やはり、狙い通り釣れます。船長さん、さすがです。しかもほぼ入れ食い状態です。
この魚も圧力変化に弱く、生かすのがかなり難しい魚です。
昨年チャレンジした際には船上で生かせたのが 3割程度でした。 
しかし・・
今回は船上での処置が迅速かつ的確に行えたためか、7割程度生かすことができました。これは大きな成果です。


生簀の中のソコイトヨリ ばっちり泳いでます

ただ、イトヨリの本当の勝負は持ち帰った後なんです。
健康な状態を維持するのが難しく、病気に罹ることが多いんです。
実は今回も既に残りわずか・・。
見に来ていただく際はお早めにお願いいたします・・。

さてこんな感じで、まだまだ、課題はたっぷりですが、ヒメが圧力変化に強くて採集しやすい魚というのも最近初めて分かったことですし、今まで持ち帰るのさえ困難だったソコイトヨリは持ち帰るところまではかなり順調になったりと、確実に一歩ずつ前進出来ていると思います。

持ち帰ったヒメは「太平洋」の冷たい海の水槽に、ソコイトヨリは「相模湾ゾーン」の沿岸水槽に展示しています。


ヒメ


ソコイトヨリ

やはり、トリーター自ら採集した魚を展示してみなさまに見ていただくのは、この仕事の醍醐味の一つ。ぜひ今後もご期待ください。

最後に、天恵丸さんいつもご協力いただき本当にありがとうございます。

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