2017年03月15日
トリーター:伊藤

シラスサイエンスオープン

ついにシラスの新展示が始まりました。
早速、見どころやこだわりの部分を紹介してみたいと思います。
展示は、3つの水槽と、1つのモニター(動画展示)、そのまわりの解説板からなります。

まずは水槽です。
新しく設けたシラス用の水槽は、前の水槽の約 2倍の水量になりました。さらに、観覧窓も大きくなりましたので、ゆったりと見やすくなったと思います。
さて、水族館の水槽と言ったら普通、水槽ごとに別の種類が入っているものです。そんな中であえて、3つの水槽で同じ魚を展示するのです。水槽ごとに成長段階を違えた個体を展示することで、魚種はとしては全て同じカタクチイワシでありながら、見た目やサイズ、泳ぎ方などは全く異なるようにして、違う種類の魚を見るかのような楽しさを目指しています。
ちなみに、今展示している魚は全て当館で卵からふ化させた自家繁殖個体です。さらに、真ん中と右の水槽に入っているのは、もう何代も飼育下で累代繁殖した飼育下五世のシラスです。シラスの状態は刻一刻と変化していきますので、ご来館されるたびに違った姿の魚を見ることになります。

次に動画です。
カタクチイワシを育ててきて、感動の瞬間を何度も目の当たりにしました。この「瞬間」を皆さまにも紹介したいと思いました。卵から生まれ出る瞬間や、肉眼では見えにくい生まれたての赤ちゃんシラス、餌を食べる瞬間など、当館の凄腕広報カメラマンことY崎さん自慢の撮影素材の中から、選りすぐって上映しています。ぜひスル―せずにご覧ください。

最後に解説です。
「サイエンス」らしくこだわりつつも、分かりやすく、一目で理解しやすいものを目指しました。シラスの成長の仕方や、食べている餌、飼育下で判明した興味深い生態を「さらっと」労せず読めるようにしてみたつもりですが、いかがでしょうか。

数年前、「いつかシラスを展示したい」と思いながらもどこか夢物語のように思っていたのが懐かしいです。現在でも、育成が思い通りにいかずに苦心させられる日々ですが、それでもある程度は狙って育てて、お見せできるようになりました。これはもしかすると、結構凄いことなのかも知れません。みなさまぜひ、“えのすい”生まれのシラスに会いに来てください。

相模湾ゾーン

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