2017年09月05日
トリーター:唐亀

さかさくらげさがし

サカサクラゲサカサクラゲ

9月になり、海岸の海の家も解体が始まりました。朝夕とめっきり涼しくなって、いきなり秋めいてきたようです。今年は植え込みに多くのジョロウグモが見られます。反対に、今年はツクツクホウシの鳴き声をあまり聞かないような・・・。

今、今上陛下のご研究のコーナーにある、ハタタテハゼの水槽とゴンズイの水槽に稀にサカサクラゲが泳いでいることがあります。水槽の中の岩などの表面にほわほわとした白いものが多数付着しています。これがサカサクラゲのポリプです。
勝手に出現して増えたもので、どこから侵入したのかは不明です。江の島で持ち帰った貝殻などを水槽に入れておいたら、いつの間にかサカサクラゲのポリプが増えていた、という話も聞くので、江の島辺りにもプラヌラが季節来遊魚的に来てたりするのでしょうか。


サカサクラゲのポリプ

水槽のポリプたちはとても元気そうです。バックヤードで飼育しているポリプたちはひょろひょろとのっぽでもやしっこですが、水槽のポリプは背は低くともどっしりとしていて、触手も長くて立派なのです。このポリプから分離したサカサクラゲがぷかぷかたゆたっていることがあるのです。
朝一番で見つけると回収していますが、日中も出ているかもしれません。ここのエフィラは 5㎜ちょっとあり、ポリプがりっぱならエフィラもりっぱです。機会があったらぜひ探してみて下さい。

このコーナーの海水水槽は実はみな繋がっています。すなわち、ハタタテハゼとゴンズイと共生ハゼの水槽 3本は濾過槽を共有していて、実質 1本の水槽なのです。
しかし、共生ハゼの水槽にはサカサのポリプは皆無なのです。それはその水槽に入っているトゲチョウチョウウオが食べてしまうから。元々セイタカイソギンチャク退治のために収容されていたのですが、同じ刺胞動物であるサカサクラゲのポリプも嫌いじゃないようです。チョウチョウウオの仲間はサンゴを好む種類も多く、刺胞動物にとっては天敵なのでしょう。


トゲチョウチョウウオ

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