2017年12月17日
トリーター:笠川

飼育して初めてわかること

ミノクラゲ(仮称)ミノクラゲ(仮称)

調査することでわかることもたくさんありますが、さらに詳しいことをもっと知るためには実際に飼育をおこない、長期間観察することも必要です。

どんな餌を食べるのか、
どんな行動をとるのか、
どんな繁殖をするのか、
生活史は?
卵はどんな形?
色は?
特徴は?
赤ちゃんは?
どんな成長をする?
成長のスピードは?
変化は?

知りたいことがたくさんあっても、野外での観察では限界があり、叶えきれないものが、飼育することによって身近で見られることでわかることが増えます。

ただ、飼育下と野生下では異なることも多いので、野外調査も非常に重要です。
クラゲに関していうと、海で見つけようと思っても、特定のポリプを見つけることはとても大変です。
ポリプ自体、パッと見て何のポリプだか見分けるのも至難の業ですし、ものによっては数ミリのため、狙って見つけることはかなり厳しいです。(たまたま付いていたものがそうだったとかなどはありますが。)
ということは、成熟した親を採集し、繁殖を試みることがとても有効です。
そして、得られたポリプから、エフィラやクラゲを出すことによって、その後の成長も見ることができます。

飼育して初めてわかることがたくさんあります。
日々、私たちクラゲチームは、採集してクラゲを得るだけでなく、そのように繁殖もののクラゲも常に育てています。
今、クラゲファンタジーホールで初展示しているミノクラゲ(仮称)も、繁殖個体としては世界初となります。
世界で初めて今、ミノクラゲの成長の過程をみなさんと共に見守っているところです。
すごいことです。これからの成長がとても楽しみです。
いつ、モジャモジャの蓑のような突起になるのか。
その姿が早く見たいのですが、今はまだ、プツプツの小さな突起です。
気持ちちょっと大きくなったような増えたような・・・

ぜひ、みなさんも、今後の変化にご注目ください。

※2018年 2月 18日(日)をもちまして「ミノクラゲ(仮称)」の展示は終了いたしました。

クラゲファンタジーホール

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