2018年04月16日
トリーター:西谷

「ルシア」の白内障手術

ミナミアメリカオットセイ「ルシア」ミナミアメリカオットセイ「ルシア」

昨年 10月にミナミアメリカオットセイ「ルシア」の白内障手術をしたので報告します。

白内障というのは、眼の中にあるレンズが何らかの理由で白くなり、視力が落ちてしまう病気です。歳をとってからなる病気だと思われがちですが、アシカやアザラシでは若くして発症してしまうこともよくあります。「ルシア」もまだ 7歳と若かったのですが、両眼ともレンズが真っ白になってしまいほとんど視力がない状態でした。


まだまだ今後長い人生が待っている「ルシア」。このままでは視力を失ったまま過ごすことになってしまう・・・。そこで、全身麻酔をして白内障の手術をおこなうことにしたのです。
“えのすい”では館内でアシカの眼の手術、ましてや全身麻酔もおこなったことがなかったので準備はてんてこ舞い。手術予定のだいぶ前から眼科専門の獣医師の先生方に検診にきていただいて手術計画を立てたり、アシカ麻酔に精通した他の水族館の獣医師に手術当日来ていただいたりと、少しずつ進めていきました。
そして迎えた本番、4時間以上かかった手術は無事に終了し、次の日からは毎日何度も目薬をしながら回復を待ちました。

手術の次の日はあまり眼を開けなかった「ルシア」。
本当に見えるようになるのかな・・・と私たちトリーターは不安でした。しかし手術 3日後、なんと目の前で出したサインに反応するではありませんか。
その後は毎日毎日少しずつ視力が回復して行きました。今では 10m以上離れたところからのサインにも反応できるようになっています。

そして、手術から 3か月後の今年 1月、無事にショー復帰も果たしました!

今回たくさんの獣医師に協力していただいたお陰で手術も無事に終わりました。眼が見えるようになっていきいきとしている「ルシア」の姿をみて、この手術が成功して本当によかったなあと実感しています。


特訓中

実は今秘密の特訓中の「ルシア」・・・。
何をしているところでしょうか・・・ 完成したらお披露目しますね!

今回はオペという大仕事だったのですが、小さいことでも動物たちが快適に暮らせるよう、これからもたくさん治療していきたいと思います!

イルカショースタジアム

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