2023年11月11日
トリーター:唐亀

目玉焼きクラゲ

少し前に「目玉焼きみたいなクラゲ」ということで、コティロリーザ・ツベルクラータが話題になったことがありました。
チチュウカイイボクラゲの和名もありますが、当館ではコティロリーザ・ツベルクラータの表記で展示しております。

傘は白く、中心部がこんもりと盛り上がり、そこが黄色くなるので目玉焼きのように見えます。傘の下のは紫色でいぼ状になっています。
当館のコティロリーザ・ツベルクラータは、バックヤードで飼育しているポリプから遊離したエフィラを育てたもので、大きくなっても傘径 10cm程度ですが、なんでも野生のコティロリーザ・ツベルクラータはずっと大きく、かわいいというより迫力のある姿をしているようです。
かわいらしい容姿から、旧・江の島水族館では「クラーラ」の愛称で呼んでいました。

実はもう一つ「目玉焼き」と呼ばれるクラゲがいます。それはサムクラゲ。
コティロリーザ・ツベルクラータは根口クラゲですが、サムクラゲは旗口クラゲの仲間です。
傘はコティロリーザ・ツベルクラータのように白く、中心部が黄色ですが、こちらは細い糸のような触手がたくさんあり、傘の下には白い口腕が重なるように伸びていてちょっとかわいらしいとは言えない風貌をしています。
あまり活発に動き回る種類ではなく、水流に乗って揺蕩たゆたっているうちに自分の触手が絡まることもあります。

そしてサムクラゲの好物は他種のクラゲ。しかも大食いで自分の半分くらいの大きさのクラゲならミズクラゲでもアカクラゲでも丸飲みにしてしまいます。アカクラゲやカラージェリー等の色がついたクラゲを飲み込むと、消化して吐き出すまで飲み込んだクラゲが傘の中に入っているのが見えます。また、アカクラゲを食べると赤い色素も吸収して、傘の黄色みが濃くなったり、普段白い傘の縁や触手まで赤茶色に変色します。

現在、2種類の「目玉焼き」揃っておりますので、どちらがお好みか確かめにいらしてください。

クラゲファンタジーホール

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