2023年12月29日
トリーター:唐亀

来年の辰年はオトヒメクラゲはいかがでしょう。

先日渡部トリーターが、ウェルカムラウンジの テーマ水槽のお話 を書いていましたね。
ちょうど一回り前の辰年のテーマ水槽は私が担当したのを思い出します。
その時はインドシナウォータードラゴンやフトアゴトカゲ、ドラゴンフィッシュ、シベリアチョウザメ等を展示しました。
渡部トリーターが今回紹介してくれているのは「イセエビ」と「トラウツボ」ですが、実は他にも辰(龍やドラゴン含む)にちなんだ生き物がいるんです。

タカクラタツ
(相模湾ゾーン 相模湾キッズ水槽)

タカクラタツタカクラタツ

辰ということから連想しやすい「辰の落とし子(タツノオトシゴ)」の仲間です。
直立して泳ぎ、尾をものに巻き付けることができます。
吻は細い管状で、先端に小さな口があります。目が良く、小さなプランクトン等にそーっと近づいて一瞬で吸い込んで捕食します。
タツノオトシゴの仲間は「オスが子どもを産む」とよくいわれますが、実はオスの腹の皮が袋状(育児嚢)になっていて、その袋の中にメスが卵を産み付けて孵化した子どもが泳げるようになると、袋から出てきます。


オオタマウミヒドラ、ヒドラ
(クラゲサイエンス)

オオタマウミヒドラオオタマウミヒドラヒドラヒドラ

オオタマウミヒドラは大きな特徴的なポリプが知られていますが、現在遊離したクラゲを展示しています。
また、ヒドラはクラゲを出さない淡水性の刺胞動物です。他にもヒドラがつくものが幾つかあります。このヒドラはギリシャ神話に出てくる9つの頭を持った毒竜のことです。ポリプの触手を首に見立てているのです。


リュウグウノツカイ
(深海Ⅰ 標本)

リュウグウノツカイ(標本)リュウグウノツカイ(標本)

銀色の太刀のような長い体と、飾り羽のような背びれや腹びれ、めったに姿が見られないところから深海は竜宮よりの使者として名付けられたのでしょう。
その姿も龍を想像させますが、「龍宮」こそが龍王の治める宮殿ですから、辰年ととても関係が深い生き物です。


オトヒメクラゲ
(クラゲサイエンス)

オトヒメクラゲオトヒメクラゲ

乙姫は浦島太郎のお話に出てきます、龍宮城のお姫さまです。
海には4つ大きな龍宮城があって、この龍宮は「東海龍王」の龍宮城です。
他に「西遊記」や「海月の骨なし」等のお話にも出てきます。
東海龍王の娘が「乙姫」で物語の中では人型で語られていますが、真の姿は龍であり、乙姫もまた龍なのです。龍の名を冠したオトヒメクラゲ、現在タイムリーに展示していますよ。


アマモ
(相模湾ゾーン 相模の海の水槽群)

アマモアマモ

陸上の植物の仲間で、海中に根を張り、水中で花を咲かせる「海草」で、ワカメやコンブ等の「海藻」とは違います。
密集して育つので、いろいろな生き物が隠れ場所として利用するので別名を「海のゆりかご」と呼ばれています。
このアマモも乙姫繋がりで辰年と所縁があります。このアマモは日本で一番長い和名を別名として持っているのです。


オトヒメエビ
(相模湾ゾーン 相模湾大水槽)

乙姫繋がりでもう一つ。紅白が大変美しいお正月カラーのエビです。相模湾大水槽の上部、相模の沖(長い窓)の右側の石組みの中にいて、朝は姿をよく見ます。
ウツボや他の大きな魚の体表を掃除することが知られています。一番見つけるのが難しいかもしれませんが、実は今なら反対の Jewerium(ジュエリウム) 特別水槽 第二章におります。

あとは龍宮城繋がりではありますが、ウミガメはちょっと離れすぎですよね。
みなさんぜひ辰年の生き物をご活用ください。

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