2012/02/24 相模湾・初島沖(5)
かいれい航海日誌
場所:相模湾・初島沖
目的:深海生物調査
昨日の夜から「かいれい」は伊東沖に停泊しています。
今日の朝6時半に研究者の入れ替えがあるためです。
「かいれい」は大きな船なので、沖から通船を使います。
今日乗船した方は、えのすいを今回の航海へ誘ってくださった研究者たちです。
ですから、今日が最後の潜航日ですが、メイン潜航なのです。気合が入ります。
さあ、今日はこれまでの潜航での登場回数が多い、ある大型生物を紹介します。
メインターゲットのシロウリガイ類やシンカイヒバリガイ類はダントツで多く生息しているのですが、その上をのっそのっそ歩く真っ赤なカニがよく目につくんです。
これはエゾイバラガニです。
大きさは甲羅が大人の手くらいのサイズでしょうか。
初日は、海底観測のタワーにカニがたくさん登ってカニタワーになっていました。
2日目、3日目も移動中などにときどき確認されました。
そして、今日はちょっと面白い場面が見られました。
エゾイバラガニは一心にシンカイヒバリガイを一食べていたのですが、そこへヌタウナギが突っ込んできたのです。
カニはとっさに(?)ヌタウナギを食べようとしたのか、追い払おうとしたのか、つかもうとしています。
ヌタウナギはそれでもヒバリガイに食らいついて、なんだかヒバリガイの奪い合いのようにも見えました。
移動しようと「かいこう」が動き出した時に起きた事件でした。
このエゾイバラガニ、聞いた話だとこの海域では10年ほど前まではこんなに深い所に沢山いなかったそうです。
もう少し浅場にいたとのことですが、どうして深い所に増えたのでしょうか。すこし気になります。
えのすいにもエゾイバラガニは深海コーナーの化学合成生態系水槽にいます。
ヌタウナギと格闘していたのと比べると小さくてかわいいサイズですが、かなり年季が入ってきました。
ここは、ほとんど餌を与えていない水槽なのですが、自力で餌を見つけて、何度も脱皮して成長しています。
ハオリムシの林に隠れていることも多いですが、赤い体は光が当たればよく目立ちますので、ぜひ探してみてください。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)KR12-05JAMSTEC「かいれい/かいこう7000Ⅱ」による相模湾初島調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。



