2015年08月04日

中部沖縄トラフ調査航海(9)9日目

  • 期間:2015年7月27日~2015年8月7日
  • 場所:中部沖縄トラフ
  • 目的:中部沖縄トラフ熱水活動域における熱水化学および化学合成(微)生物学調査
  • 担当:杉村
きょうはとっても波が静かですきょうはとっても波が静かです


29日から始まりました調査潜航も今夜で最後です。
昨夜と今夜は生物・岩石系の潜航とは違い、海底地形のマッピングをおこなう潜航です。
数百万はするような(ひょっとしたらもっとするかも・・・)最新の大型機器を使って、海底を撮影していきますので、我々はラボから計測のようす見るだけです。

そんな潜航の合間に研究者に皆さんと熱水や鉱物採掘の話をしていると・・・

沖縄の海底は、熱水の多く噴き出る場所で貴重な鉱物も見つかり始めて、いろいろな意味で近年注目されています。
熱水噴出域では私たちの生命の起源に関わるヒントがあると考えられ、日夜研究されています。
今後、海底資源確保のため本格的な採掘などが始まると、この生命の起源たる場所や生物群集はどうなってしまうのだろうか?
・・・私たちも研究のためにチムニーや岩石、生物を採集しますが、壊したりはしません・・・
周りには何も見えない海の真ん中のこの下に、熱水に群がって地球のエネルギーを栄養に生きている深海生物たちを見ていると特に考えてしまいます。
我々の生活のためとはいえ、何とか彼らを保全してあげられないのかと・・・
一度無くなった生態系は、ほとんど戻ってきません。
JAMSTECとの共同研究でしている「深海生物の長期飼育技術開発の研究」にはとても大きな意味があることを痛感します。
早ければ10年以内に採掘などの計画は始まってしまいそうな勢いです。
「ちょっと!待った!!」
と、ねるとん(ちょっと古いか)ばりに手を上げられるよう、保全飼育を頑張らねば・・・
と、独り言を言ってきょうの日誌にしたいと思います。
ではまた、あした。


シロウリガイの仲間:結構大きいです


「なつしま」の食堂です


JAMSTEC(海洋研究開発機構)NT15-14「なつしま/ハイパードルフィン」による中部沖縄トラフ熱水活動域における熱水化学および化学合成(微)生物学調査

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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