2018年04月03日

伊豆諸島海域調査航海(1)航海日誌 1日目

  • 期間:2018年4月3日~4月6日
  • 場所:伊豆・小笠原弧
  • 目的:伊豆諸島海域の海丘内熱水域生物群集の栄養生態と代謝の解明
  • 担当:杉村
出航を待つハイパードルフィン出航を待つハイパードルフィン


mina
みなさん、こんにちは!
約2年ぶりの新青丸の調査航海に参加しています。
※前回は相模湾の初島沖でした。

この日誌を綴っている今は、小笠原諸島海域へ黒潮を南に向けて横切って航行中です。
結構揺れています!!
船内では、まっすぐにはちょっと歩けない感じで、廊下の手すりを伝いながら移動しています。
時折、バシャッ!ドーン!という海面が船底を叩く音が響き、ハイパードルフィンの設置してある外の甲板は、打ちつける波で常に海水にさらされているといった状態です。
調査海域までの航行中は、いつもながらよく揺れるものです。

さて、少し時間は遡りますが、JAMSTEC横須賀本部を出航して間もなく「操練」をおこないました。
これは、非常事態に備えた避難訓練ですね。
大きな食パンみたいな救命胴衣を首に装着して、コンパスデッキといわれる新青丸の一番上の甲板に集合です。
ちょっと不格好ですが、海に投げ出されても必ず首だけは海面に出るという優れもの・・・
なのですが、首の短い私には少々苦しいかも・・・。
これから向かう調査海域は見渡す限り海面しか見えない場所ですから、使い方をしっかりマスターしなくては。
その後、食堂で船内生活のレクチャーを受けて、いよいよ船内での作業開始です。

乗船者はみな、あすからの調査の為の準備に取りかかります。
研究者のみなさんは、ハイパードルフィンで調査をおこなう機器の調整や搭載場所の確認を運航チームと甲板でおこなっています。
私はというと、水族館から持ち込んだ水槽や冷却機器、水温測定器などを徐々に揺れ始める船内で作業をおこないます。
新青丸は大型の冷蔵サンプル室が研究室の下の階にあるので、冷却用の海水を運ぶのはなかなかの重労働です。

夕方には何とか大方の作業を終えることができました。

さて、今回は小笠原の海底の熱水噴出域での調査です。
小笠原の調査航海は6年ぶりで、久しぶりにどのような海底が待っているか、とても楽しみです。
ちょっとドキドキしています。

あすからの調査に備え、早めに休むことにします。
では、・・・またあした。


見送りにきてくれたJAMSTECのみなさん



甲板に打ちつける波


本調査は、「東京大学」が東京都から特別採捕の許可を得て行っているものです

JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-18-3 「伊豆諸島海域の海丘内熱水域生物群集の栄養生態と代謝の解明」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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