2018年06月01日

江之浦海中映像撮影・生物調査

  • 期間:2018年6月1日(金)
  • 場所:神奈川県 小田原市 江之浦
  • 目的:相模湾海中映像撮影・生物調査
  • 担当:樋口
見事な快晴見事な快晴


みなさんこんにちは!
本年度から潜水班が結成され、活動を開始しましたのでご報告します。

潜水班は相模湾の海中調査をメインに、ダイビングスキルの向上、生物相調査も含めて活動をしています。
今回は、櫻井トリーターと樋口の2名で相模湾の西部、小田原と真鶴の間にある江之浦に調査におこなってきました。

天候は晴れ(雨女の私ですが晴れました!)、水温は20.8℃と相模湾大水槽と同じくらいでした。
実はえのすいトリーターは仕事で海に潜水する機会が意外とありません。
素潜りならあるのですが・・・。
プライベートで休みの日に潜るよ、という人は少数いますが、潜水調査、という形で潜ることはほぼありません。
例えば、逗子沖のサンゴ水槽を担当しているのに、逗子沖を見たことがない、というトリーターがほとんどだったのです。
図鑑を見たり、潜ったことのある人に聞いて展示を作りこんでいましたが、実際に海のようすを知らないと展示クオリティは低下してしまいます。
でも、相模湾をテーマにしている水族館で、このままではいけません。
自分たちの目で相模湾を見て、展示に反映していかなければ!を信条に潜水班は活動しています。

当日、現地に着いて準備をはじめます。
事前に相模湾大水槽で器材をつけてダイビング練習をしたとはいえ、海に潜るのは久しぶりで緊張します。
今回は水中の映像も撮影します。1ダイブ目は私が、展示映像の撮影用のカメラをもって潜ることになりました。
潜ってみると濁りはありますが、思っていたよりも多くの生物が見えてきました。
いつも、ダイビングショー「フィンズ」で使用しているカメラと同じでしたので、使い慣れてるしと思っていましたが、当然ですが海には波があります。
水槽ではここに水流があるな、と分かっていますが海はランダムに揺れますので、カメラの固定に苦戦!
足で岩をはさんで(行儀が悪いですね!)固定したり、片手でカメラを持ち、反対の手で岩を掴んで体を固定したり・・・。
そのうえ、カメラのモニターを凝視していますので、なんだかどっと疲れました。
生物はクマノミとサンゴイソギンチャク、クロホシイシモチの群れ、アオリイカを狙うウツボ、コケギンポ、ヒラメ、アオウミウシ、キイロウミコチョウ、ホンソメワケベラ、キンチャクダイなどを確認することができました。

休憩を45分ほどはさんで、2ダイブ目です。
(休憩時間に、私はコーヒーに砂糖を4袋入れ、櫻井トリーターはお茶に砂糖をいれてエネルギー摂取しました!潜ると結構疲れます。)
2ダイブ目は櫻井トリーターが展示映像の撮影用カメラを持ち、私は櫻井トリーターを追尾して安全確保に努めます。
カメラを持たずに潜ることのなんて楽しいこと!
カメラのモニターを凝視しなくて良いですし、体を固定する必要もありません。
櫻井トリーターを視界に入れつつ、生物や周辺の写真を撮影していきます。


サンゴイソギンチャクとクマノミ


やや濁っていました


撮影に夢中な櫻井トリーターと人懐っこいキタマクラ


アオリイカが産卵した枝にぶら下がるウツボ
アオリイカを狙っています

映像撮影に夢中になり、二人とも寒くて震えが止まらなくなるまで 2ダイブとも潜っていました。
今回の映像撮影、調査で見てきたことを少しずつ展示に反映させていきます。
百聞は一見にしかず、を体感しました。やっぱり自分の目で見ないとダメですね。
展示だけでなく、みなさまへのお話も体験に基づくものなので、よりリアリティと重みを増します。
みなさまにもっとリアルな相模湾をお見せできるよう、今後も潜水調査、展示更新を続けていきますのでご期待ください!

それでは次回の調査日誌もお楽しみに!

相模湾ゾーン

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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