2008年06月14日
トリーター:植田

長崎丸便乗採集


6月7日から、同僚と2名で長崎大学所属の調査・実習船長崎丸の調査航海に参加してきました。
長崎丸の航海への当館職員の便乗は今回で 4回を数え、私としても 3回目の航海となります。
調査海域は東シナ海五島列島南方海域で、長崎丸が母港としている長崎市三重の新長崎漁港から数時間回航した海域です。
調査はビームトロールと呼ばれる、幅3メートル、高さ 0.7メートルほどの大きさのステンレス枠に袋網がついたいわゆる引き網で、砂泥質の海底をゆっくりと一定距離を曳いて、漁獲された生物量を調べるものです。

東シナ海の水深 200~ 500メートルの海底は、思いのほか豊穣な海の生物の世界が広がっていました。
曳く場所により、エビが豊富に採れたり、ヒトデの集団に当たったり、時にはナマコだらけの時もありました。
まる 2日の航海で 8回の網曳き調査を予定していたのですが、海底地形の思わぬ悪さのため、網曳きを途中で断念せざるを得ないことなどもあり、4回の調査で終了しました。
その結果、これまで得られた生物量よりは若干少なかったものの、ギンエビスなどの巻貝やフウセンイソギンチャク、ゴカクヒトデのなかまなど、深海生物 14種類を漁獲し、無事 12日未明に新江ノ島水族館に帰還しました。

得られた生物の一部は既に深海生物展示コーナーの終わりにある、やや浅い深海に見られる生物たちの水槽に展示しました。

展示中の生き物たち展示中の生き物たち

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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