2009年03月22日
トリーター:石川

おじいちゃん似の孫ペンギンたち


本日 3月22日は、フンボルトペンギンの白タグの“ヒカル”と緑タグの“アカリ”の満8歳の誕生日です。
2羽の両親は同じですが、ペンギンの場合卵からの孵化ですから、同じ日に生まれても双子とはいいません。
厳密にいえば産卵された日は数日の差があるので、この時点で先に生まれたのが長男なり長女となるのでしょうか。
当館では同じ産卵でふ化が同日なのは、この 2羽だけです。

さてこの 2羽の親は“Ⅰ青”という野生から来た大きなオスと、現在ペンギンプールにいる黄・白のタグがついている当館生まれの“モンチ”ですが、この両親とは模様の出方が若干違うのです。

フンボルトペンギンは白と黒の 2色の模様を基本に、腹部の白いところに黒いゴマ模様が入ります。
これは指紋のように全ての個体に違う模様がでます。

このゴマ模様が“Ⅰ青”と“モンチ”の家系6羽のこどものうち、4羽にとりわけ多く出ているのです。
両親のうちオスの“Ⅰ青”は若干ゴマ模様があるもののさほど多いわけではありませんし、メスの“モンチ”もゴマ模様がほとんどない個体なのです。
疑問をいだいたまま結局理由もわからずにいたとき、先輩トリーターが過去に残してくれた“モンチ”の両親“赤赤”というオスと“Ⅰ黄”というメスの写真を見て、オスの“赤赤”が非常にゴマ模様の多い個体だということがわかりました。

現在この個体はいないので、遺伝子的な検査はできません。
ですので隔世遺伝といい切ることはできませんが、きっとそうなんだろうなあと思っています。

顔や性格などが親に似ていることはペンギンだけでなく、ゴマフアザラシやバンドウイルカでも見られています。
でもおじいさんやおばあさんに似ているということが解ったのは、私の二十数年のなかではこのペンギンの家系が初めてでした。
この辺、もっとちゃんと説明できるようになったらぜひ続きをお話したいと思います。
トリーターも世代を超えて研究調査をし続けないといけませんね。

「ヒカル」! 「アカリ」!
お誕生日おめでとう!!

バックナンバー
[ ペンギン記憶、私の記憶 ]

フンボルトペンギンフンボルトペンギン

ペンギン・アザラシ

RSS