2010年07月30日
トリーター:植田

ジンベエザメそれともシノノメサカタザメ


先日、新聞報道で房総半島の館山市波佐間漁港近くの定置網にジンベエザメが 1頭入網し、捕獲されたとの記事がありました。
大きさは体長 5mほどで、性別は分からないそうです。
館山といえば、房総半島の西岸で、大きな区分では相模灘に面します。
今回は相模湾周辺でのジンベエザメ来遊の珍しい記録となりました。

当館にはジンベエザメは飼育されていませんが、時折ジンベエザメと間違われる魚がいます。
その魚とはシノノメサカタザメで、相模湾大水槽の展示生物をダイバーが水中カメラで写して紹介するショー「フィンズ」でも、シノノメサカタザメを指差し「ジンベエザメ」と呼んで、クローズアップのリクエストをする子供さんもいます。
シノノメサカタザメは名前の最後が「サメ」となっていますが、エイの仲間です。
しかしジンベエザメと同じように主な分布は熱帯から亜熱帯にかけての暖かい海域で、日本の本州中部、とくに相模湾辺りまでやってくることは極めて珍しいようです。
私の記憶の範囲では、新江ノ島水族館に移行して 6年以上経ちましたが、その間に相模湾では 1度だけシノノメサカタザメが捕獲されました。
確か冬場の海水温が低い時期に捕まったので、捕獲時かなり衰弱しており、残念ながら当館に収容されて数日で息絶えました。

今回のジンベエザメも過去に捕獲されたシノノメサカタザメも黒潮の暖かい海流に乗って、はるばるやって来たのかもしれません。
相模湾はまだまだ珍しい魚のやってくる海だといえそうです。

シノノメサカタザメシノノメサカタザメ

フィンズ

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