2010年10月26日
トリーター:植田

COP 10に因んで生物多様性?


ちょうど今、第 10回生物多様性条約締結国会議、いわゆるCOP 10が開催されています。その関係か、生き物の話題や生物多様性についての事柄が新聞・テレビなど各種メディアで報道されています。
「生物多様性」と聞くと、一般の方にはちょっと取りつきにくい印象を受けますね。
今まさに存在する生物たちのその全てとその生活・生きざまの全てと考えると、何となくイメージできるかもしれません。

当館の展示水槽の一つに、相模湾やその周辺海岸に形成される干潟環境を再現した「干潟の水槽」があります。
ここの生き物たちを見ていると、砂泥の表面を餌を探して動きまわるヤマトオサガニ(カニ類)やユビナガホンヤドカリ(ヤドカリ類)、一見動きが止まっているかのようなホソウミニナ(巻貝類)、時折泥の表面で体を回転させて全身をぬらす動作を見せるトビハゼ(魚類)といった目に留まるもののほかに、砂泥の中に潜って生活するアサリやシオフキなどの巻貝やゴカイの仲間まで、干潟がさまざまな生き物たちの生活の舞台となっていることを間近に見ることができます。

もし、みなさんが潮干狩りに行かれることがあれば、そこは大体が干潟の環境でしょう。
頭の中はアサリのことでいっぱいで、ターゲットは三角形の二枚貝しかないかもしれません。
でもアサリ採りに疲れたら、掘り繰り返した泥をもう一度見直してみてください。
案外いろいろな生き物たちを見つけることができるでしょう。
その生き物たちのことに少し目を向けること、「いる」という意識を持つことから生物多様性への気づきが始まると思います。

ヤマトオサガニヤマトオサガニ

相模湾ゾーン

RSS