2010年10月29日
トリーター:石川

えのすい“オス”ペンギン事情


だいぶ涼しくなってきました。
全身ダウンジャケットのペンギンたちは、これからが繁殖シーズンです。
繁殖シーズン始めの時期は、オスのペンギンたちの行動が目立ってきます。番(つがい)を作るためにメスへ積極的にアプローチしたり、縄張りを主張したり、巣材を集めたりといった行動が顕著になってくるのです。

“えのすい”には「ジャンボ」、「ジョン」、「トップ」の 3羽のオスのペンギンがいます。
すでに番ができている「ジャンボ」はメスを見つける必要がないので、縄張りの主張と巣穴の確保に専念しています。このところ、今春の繁殖場所で今は入れない、子どもたちだけがいるエリアを眺めて、入れてもらいたそうにしています。

ケープペンギンの「ジョン」は種類がちがうので、お嫁さんを見つけてくるか、もしくはお婿としてケープペンギンがいる処へ行くかしかなく、ただいま思案中なのですが、本人はフンボルトペンギンのメスでもアタックしています。
メスと仲好くなるためにはさまざまなディスプレイ行動があるようなのですが、「ジョン」は種類が違うので、フンボルトペンギンのこの行動をマスターできないためか、ちゃんとした番となるには至っていません。
私たちから見れば種間外交配となってしまうので、できればあまり手を広げてほしくはないのですが、環境に合わせて適応しようとする生物の行動は抑制できるものではありません。
最近では、仲の良いフンボルトペンギンのメスが増えてきています。

残りはフンボルトペンギンの「トップ」です。
「トップ」は“えのすい”では一番若く、まだ子育てをした経験がありません。仲の良いメスは居るのですが、まだちゃんとした番に至っていないので、多くのメスへアタックしています。
ただちょっと短気なようで、メスから見ると好き嫌いが分かれるタイプのようです。最近子育て経験豊富な「モンチ」と一緒に居ることが多く見られるようになってきました。
子育ての経験豊富なメスペンギンだといろいろ教えてもらえるので、一緒になってくれないかと淡い期待を寄せています。

この時期、オスペンギンたちはさまざまな行動と努力でよいメスと番をつくり、子育てしようとしています。
この時期はオスのペンギンに注目して観察してみてはいかがでしょうか。

<オスペンギンたちの見分け方>
黒いタグ「ジャンボ」
紫と青のタグ「トップ」
タグのないのがケープペンギン「ジョン」です。

フンボルトペンギンフンボルトペンギン

ペンギン・アザラシ

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