2011年07月24日
トリーター:石川

三つ子の魂百まで!


先日、今年生まれの 2羽のこどもペンギンを親から離しました。

野生では親から巣立ったペンギンは親元へは戻りませんが、一緒に生活し続けてしまうと、親との関係が続いてしまい、次の子育てがうまくいかない原因にもなってしまいます。
このため巣立ちを擬意的に成立させるため、生まれて 100日を超えたころから親と離す必要があるのです。

2月21日生まれのこどもは、すでにトリーターから魚をもらうことを覚えていて、身体も大きいためさほど心配していませんでしたが、2月19日生まれのこどもは、トリーターから魚を食べるそぶりもなく、この日を迎えました。
4kgあった体重も 3kgに減っていて、片親は羽がわり(換羽)がはじまり餌もさほどもらっていなかったと思われ、お腹もだいぶ空いていたと思います。
移動した日は夜間も陸場へ上がっているようすはなく、体力消耗も気になり、翌朝に一度羽がわり(換羽)をしていない親鳥を入れて様子を見ました。
入れるとすぐにこどもは陸場へ上がってきました。
一瞬、さすが親と思いましたが、実際にはおとなのペンギンだったら誰でも良かったのかもしれません。
結局親は餌を与えるでもなく、何かこどもと接触するといったこともありませんでした。
こどもとしては“大丈夫”というきっかけができれば良かったようです。

午後の餌の時も一時的に親を入れると、今度はトリーターから魚も食べ始めたのです。
次の日からはトリーターを見れば寄ってきて、餌をねだるようになりました。
3日間位食べるきっかけが続けば、自身で食べるようになるという意識はあったのですが、こんなに飛躍的に食べ始めるとは思っていませんでした。

ペンギンからはいつも新しいことを学びます。
気がつくとその成長に驚かされるのです。

私の下の息子は今 4歳ですが、やはり日々感動と驚きを与えてくれます。
私からするとペンギンと全く一緒です。そう言うと、かみさんからはちょっとムッとされるのですが・・・ 。
上の息子の出産から幼児期も、親の立場でいろいろとペンギンから教わった気がします。
幼稚園へ行っている下の息子は、突然新しいことをやりはじめたりします。
どこで覚えたのか、ちょっと悪いこともいっぱい知っています。
かつてバードトレーニングをしている他園館の飼育係に聞いたことがあります。
カラスはとても物覚えがよく、悪いことほどすぐに覚え、一旦覚えるとなかなかそれをさせなくするのは容易でないとのこと。
ペンギンもカラスに負けず劣らずです。
うちの息子もまさしく今、そんな感じです。

好奇心いっぱいの今年生まれのペンギンたちには、同じ過ちを繰り返さないぞ!と思っているのですが、10日目にして徐々にやんちゃぶりを発揮しています。

今年生まれの2羽のフンボルトペンギン今年生まれの2羽のフンボルトペンギン

ペンギン・アザラシ

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