2012年03月19日
トリーター:北嶋

凍りました


“えのすい”の水槽はたくさんの機械の力を借りて運営されています。
水を動かすポンプ、水をきれいにする濾過装置、空気を送り込むブロアー、ベストな水温にしてくれる熱交換器・・・などなど。それはすごい数のいろんな機械が常に稼働しています。制御も機械式。特に、私の担当する深海コーナーは硫化ナトリウムを設定した時間に設定した量をいれてくれるポンプだとか、酸素濃度を制御してくれる装置だとか、熱水を噴き出す装置だとか、裏は機械だらけ、足元、天井はコードだらけの機械室です。
機械はとても便利ですが、こわれたり、くるったりもするものです。じょうずに使いこなせなければ、大変危ないことにもなりかねません。ですから、毎日点検をします。

きのうの朝のことです。出社してすぐ深海コーナーをいつものように点検しに行くと・・・「!!!」絶句。
猛ダッシュで他のスタッフを呼びに。
「大変!!水槽が凍ってる!」
大事ないきものは?!
「見えない・・凍ってしまったかも。」
ここは、0.1℃の海で暮らす深海クラゲの水槽。クーラーが頑張りすぎてしまったみたい。水温を測ると -1.8℃。
泣きそう。
クラゲ担当のKちょがおたまで必死に氷をかきわけてクラゲを探します。
「あっ、いた!凍ってる?あ、生きてる!!」
生きてる?ほんとうに?水温マイナスなのに??
ほんとうにクラゲは氷から離れると泳ぎだしました。
「奇跡だ。」
もともと非常に水温の低い環境にいる生き物なので、体のつくりも超低温に対応していたおかげでしょうか。
なにはともあれ、いやはや。
きのう来た方は、この凍った水槽を見てびっくりされたのではないでしょうか。

もう絶対凍らないように、と設定やら水の動きやらを入念にチェックしました。

“えのすい”にはこれらの機器をメンテナンスしてくれる強力な専門スタッフ「青い服の精鋭たち」が配備されています(いつもいつもありがとうございます!)。しかし、日ごろ魚たちと一番距離の近いところにいる我々トリーターが、この魚たちの生命維持装置ともいえる機械類について、よく知っていなければなりません。機械は恐ろしい。管理も機械のスペックを見てそれ相応にしないとね。

深海コーナー深海コーナー

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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