2012年03月31日
トリーター:植田

小窓水槽の隠れキャラ


当館の冷たい海・暖かい海ゾーンの向かいに「発見の小窓“小さな地球”」水槽があります。
ここは 24個の小型の水槽が 12個ずつ上下 2段に並べられ、文字通り小窓を覗き込むようにして生きものたちを観察できるようなコーナーです。

それぞれの水槽には 1種ずつ収容し、その種類について解説されています。
しかし24水槽の中には複数の種類が収容されている水槽もあります。結果、解説されない種類もお客さまは見ることができるわけです。
上段左から 3番目の水槽にはこの春向けのテーマ 「笑顔がいっぱい小窓水槽」 に合わせて、コウワンテグリという魚類が展示されています。

その水槽をよーく見ていただくと、黒っぽい底砂に半身を隠すように潜むタコの仔どもを見つけていただけます。

春向けのテーマの前はここに貝の仲間-軟体動物たちが展示されていました。
コウワンテグリの水槽にはイイダコが展示されていたのですが、展示されていた親ダコは、卵を産んでしばらくして死んでいきました。
残された卵はふ化し、胴の長さが数ミリの赤ちゃんが突如この水槽に出てきたのです。それは 3月初めの出来事でした。
生まれたての赤ん坊は自分の力で餌となる小エビなどの小動物を捕まえ、飢えを満たしていかなければなりません。
中にはうまく獲物にありつけず死んでいった子どもたちもいます。

今ではこの小さな水槽の中、たくましく生き残った子ダコたち数匹を見ることができます。
身体も生まれた時からだいぶ大きくなり、目測で胴の長さは 1cmほどにもなりました。
この小窓水槽の左右の端っこ、黒い底砂に身体をうずめて潜んでいるようすは外敵から身を守るためなのでしょうか、その姿を観察していただけます。

関連日誌
2012/03/09 生まれたて。

コウワンテグリとイイダコの仔コウワンテグリとイイダコの仔

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