2012年06月03日
トリーター:今井

月餅、食べたい!


今の時期、堤防から海面下を覗いてみると、あちこち張り付いているんです。
何かといいますと、タコノマクラというウニの仲間。
10センチ位の円盤で、五枚の花弁のような模様があります。
ごく短い棘の間々には、先に吸盤のついた透明のストローみたいな足(管足)があるので、岸壁の水面近くに張り付いていることもあるのです。
「こんな形してるのに、海底からよくここまで登って来たもんだ。」
採ってしまうのが可哀想に思えてきます・・・ 。
それでも、あちこちに見えるので、一個を手にとってみますと、ズッシリとした重みが伝わってきます。
ウニの仲間・・・、ズッシリとした重み・・・、
つい「美味そー!」と思ってしまうでしょう・・・。(私の場合は、月餅が食べたくなります。)
もし採っても、ほとんどが殻と水の重みで、中身は黒っぽいドロッとしたものが、ちょっと入っているだけですから、無理に割らずに助けてあげてくださいね。

さて、私がなぜこの生き物を採集していたかというと、水槽の底に溜まった細かいカスを食べて掃除してくれるからです。
また、砂にも潜るので、コケの生えやすい表面を撹拌して、見栄えも良くしてくれます。
さらに、不思議な生き物に見えて面白いではありませんか、と、一石三鳥だからです。

ところで、飼育にありがちなパターンですが、メダカを飼うために、食べ残しの餌の掃除屋さんとしてドジョウやカマツカといった底生魚を一緒に飼おうとする方がいます。
ですが、そちらの方が餌をいっぱい食べて排せつも多いですから、逆効果ですよ。

タコノマクラタコノマクラ

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