2012年10月18日
トリーター:石川

フォール・イン・ラブ“作戦”


“えのすい”のフンボルトペンギンは前回もお伝えした通り、複雑な家系で構成されています。
このため、なるべく血縁関係のないもの同士で“恋に落ちて”ほしいのです。

昨年は“愛の部屋”作戦を試してみました。
過去にこの方法でペアが誕生した経緯があるので、現代っ子?にも通じるか・・・ とやってみました。
少しでも気のある行動を見つけたら、プール、巣箱付の二人だけの世界へ・・・
しかし、今時の若いペンギンには逆効果のようでした。
逆に冷めてしまうのか、雄が奥手なのか、雌が強いのか、二人だけの世界から群れへ戻すと一緒にした個体より別の個体へ注意が向き、結局新しいペア誕生には至りませんでした。


今年はこの経緯を踏まえて・・・
いつもいると思っているペンギンがいなくなると逆に興味が出てくるのか!・・・そんな逆効果を期待して、あえてくっつけたい個体をある程度離しておいて、出逢わせる作戦、を行ってみています。

雄は「トップ(青紫タグ)」以外では、まだ雌雄判別ができていない 2羽の若い個体に雄と思われる行動などが見られています。
まだ 2歳以下の個体たちなので、そのせいもあるかもしれませんが、なかなか思うようにはいきません。
ただ雰囲気づくりは必要なようで、個体数が少なければやはり盛り上がりに欠けるのか、ペア形成には不利なようです。

かつてキタイワトビペンギンを飼育していた際に 1ペアしかおらず、なかなかその繁殖行動を盛り上げるのが難しかったことがあります。その際にその 2羽の繁殖行動の声を録音して、同じ個体たちへ聞かせた際に繁殖行動が活性化されたという経緯があります。

まずは恋を盛り上げる雰囲気作りが大事なのです。

さあ、みんな恋の季節だよ!

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