2012年10月19日
トリーター:杉村

今週のおすすめ


サツマハオリムシ
“えのすい”の深海コーナーといえば、サツマハオリムシ!!
と、いうくらいに深海コーナーのど真ん中に展示中の深海生物です。
“えのすい”によく来られるみなさんは、
「なんだ、サツマハオリムシか・・・。」
といわれてしまいそうですが、ハオリムシの赤いエラのよく出る時間をご存知ですか?!

その時間は・・・

その前に、念のためハオリムシを良く知らないみなさんの為に紹介しますね。
サツマハオリムシやその仲間は、深海の熱水噴出域(温泉の出る海底)や湧水域(地震の発生しやすい、地殻の沈み込み帯から温泉成分が浸み出ている海底)に生息しているミミズの親せきに当たる生き物です。
ハオリムシの仲間は、口を持っていません。
体の中に化学合成細菌(温泉成分を利用して、エネルギーを作り出す細菌)が共生しているため、熱水や海底から湧き出る温泉成分を吸うだけで生きていける、不思議な生物です。
口をなくして、食べることをやめてしまった生き物なのです!!
サツマハオリムシは、こんな生き物です。

と、いうことで飼育水槽には同居人のユノハナガニには餌を与えていますのが、サツマハオリムシには餌を与えていません。
そのか代わりに温泉成分である硫化物を定期的に添加しています。

“えのすい”のサツマハオリムシは、研究によって水中の硫化物のある一定の濃度によってエラを出したり、ひっこめたりすることが分かりました。
そこで、1時間に 1回(毎正時 10:00、11:00・・・)決められた量の硫化物を水槽に添加しています。
硫化物の添加後、数分すると筒状の棲管(おうち)から、赤いエラをニョキッ、ニョキッ、と出します。
ちょっとした、お花畑!?のようです。

エラの出たサツマハオリムシをご覧になりたい方は、毎正時から 30分の間を目安に深海Ⅰ~JAMSTECとの共同研究~コーナーへ来て見てください。
お楽しみに!!

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深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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