2012年12月11日
トリーター:根本

戸田チャレンジ!


寒いですね~。もう冬です。
水族館から見える富士山はもう真っ白です。
きょうは最高気温が 11℃、最低気温が 3℃でした。
相模湾の水深でいえば、最高気温が水深 317m、最低気温が 1,170mといった所でしょう。
この季節、温度だけ見れば窓の外は深海です。

この季節、相模湾の表層海水は 16℃、2月になれば 13℃くらいまで冷えますが、気温に比べれば結構暖かく、触っていると暖かく感じます。
しかしこの暖かく感じる水温は、深海が始まる水深 200mと 3℃も違わないのです。
2月になればほぼ同じ温度です。

この時期になると深海生物も水温の壁がなくなりフラフラと生きて上がって来てしまう事もります。
この前のユウレイイカがおそらくそのタイプでしょうね。
そして深海生物採集でもこの寒さと海水の冷たさが味方になってくれます。
海底で採集して水面まで上げる際、他の季節では水温差が致命的なダメージになりますが、この季節なら問題無し!
運搬時も特別に冷す必要が無いので、トラックに大きなタンクを載せて水を入れておくだけでOKです。
むしろ気温で冷えすぎるのが怖いくらいです。

とiいうことで、今年も始まりました戸田深海底引き網採集!
メンダコ、ユメカサゴ、ツノザメ、フジクジラ、ノコギリザメ、キホウボウなどなど涙が出るくらいいろいろなものが採集できます。
ただ、底引き網ですので、結構ダメージが有るのと、そもそもほとんどの種が飼育方法を確立されていないのとで、長く飼育することができないのです・・・
特にメンダコはダメですね~今は。
まぁ今はダメですが、絶対できないってことはないはずです。
きっと何か弱る要因が有るはずです。
何回やっても、どの水族館でも長生きしないのであれば、何かメンダコにとって痛恨の一撃的な要因があるはずです。
どんなに慎重に採集しても結果はあまり変わらないので、飼育方法に何か問題があるのでは?とにらんでいます。
水族館に到着した時は物凄く元気ですからね、飼育できる可能性はあると思います。
まだ、きっかけも掴めていませんが、いつの日かパコパコ泳ぐメンダコや、パタパタ泳ぐギンザメをお見せできるようになればと思います。
何よりも私が見たいので今回も頑張ります!

きょう、杉村さんと北嶋さんが底引き網漁船に乗り込むため戸田に向かっています。
今年も戸田チャレンジの始まりです!お楽しみに!

戸田深海底引き網戸田深海底引き網

RSS