2013年11月04日
トリーター:根本

白いヌタウナギ

白いヌタウナギ白いヌタウナギ

ヌタウナギをご存知ですか?
アゴも背骨も無い、とても原始的な魚の形をしているといわれている生物です。
尾びれ以外の鰭はなく、眼は皮膚に埋没し、鼻に穴は一つしかないというかなり奇抜な姿をしているうえに、刺激するとお腹の下から特殊な液体を出し、体の周りの水をスライム化するという奇怪な技を持っています。
英語圏では “醜い意地悪な老婆のような魚”や“鬼ババのような魚”という、かわいそうな名前がつけられています。
ただ、韓国では身は食糧としてもてはやされ、革は財布に加工されたりしています。
私もヌタウナギの財布を使っていますが、滑らかで柔らかく丈夫でよいです。日本でも地域によって食べますね。

そのヌタウナギの漁が江の島沖でも行われていています。漁師さんのホームページもありますので、ヌタウナギとオオグソクムシに興味のある方は検索してみてくださいね。

そして!

先日なんと!

真っ白なヌタウナギが捕獲されたのです!
アルビノかどうかはよく解りませんが、とにかく白いヌタウナギ!
私も久々に見ました!
漁師さんは 1年ぶりとおっしゃっていました!
私は 3~ 5年ぶりかな!めずらしい!

おや?と違和感のあった方も多いかと思いますが、実は江の島沖では物凄く珍しいという訳ではないのです。
今回も「お!久しぶりだねー!」という感じなのです。
数年前は続々と採集されたこともあります。
気になってインターネットで検索してみたのですが、ソコソコ情報が出てきます。
駿河湾でも白いヌタウナギは採れているようですね。

多くの方はアルビノとしていますが、それにしては数が多い気がします。
何か秘密が隠されているのではないかと思っています・・・、いまは謎です。

その捕獲された白いヌタウナギは、水族館にやってきて少休憩の後、11月 2日から展示しています。
なかなか見る機会も少ないかと思いますのでぜひご覧くださいね!
琵琶湖の白ナマズは“弁天ナマズ”とされ敬われています。日本三大弁天の江の島の白いヌタウナギも“弁天ヌタウナギ”かもしれません!大事に飼育したいと思います。

飼育生物としては、難しく、餌を食べさせるのに一苦労します。
苦労というよりも相手しだいです・・・、たいてい食べてくれません。
どうして“腐肉をあさる”とか“海の掃除屋”といわれる生物は飼育下になると餌をまともに食べないのでしょうね・・・。
潜水船で見ると、迫力ある食べっぷりを見せるのだから、採集時にだいぶショックを受けているのでしょうか、繊細な動物が多いです。どうにか水槽内で体と心を癒し、餌を食べるようにしていきたいです。
餌を食べる時のあの悪魔的な口の歯は必見ですよ!

※展示は終了しました。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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