2013年12月12日
トリーター:武藤

繋がり。

みなさん、こんにちは。
12月 12日はどんな日なのか調べたところ、この日は「バッテリーの日」だそうです。
日本蓄電池工業会(現・電池工業会)が 1985年に「カーバッテリーの日」として制定し、1991年に「バッテリーの日」に改称したそうです。
野球のピッチャーとキャッチャーのことをバッテリーと呼ぶのは多数の方が認知していると思いますが、それらのポジションが指す数字が、それぞれ「 1」と「 2」であることに由来しているようです。

自動車と野球という全く異なり、関係性も皆無な 2つですが、意味は違えど「バッテリー」という同じ言葉から、この 2つに繋がりが表れたわけです。
このことを知った私が、最初に頭に浮かんだことがあります。

「バタフライ・エフェクト」

正確には上記に書いた話とは少し違うのですが、すぐに浮かんだのがそれでした。

バタフライ・エフェクトとは、極めて小さな微々たるものが、後に無視できないほど大きなものを生む現象になることをいうのですが、この新江ノ島水族館でも似たような現象は少なからず起こっています。

例えば、ブリーディングプールで飼育されているバンドウイルカの「パル」という雄個体が、隣接されたプールの雌イルカ達を眺めていた。

ただ眺めているだけなのだが、雌イルカのうち「シェリル」という個体がその行為に対して機嫌が悪くなる。

すると、機嫌が悪くなった「シェリル」は同じプールの「ピック」という個体を追い回す。

追い回された「ピック」が「シェリル」を避ける為に同じく同居しているオキゴンドウの「セーラー」という個体の周りを機敏に泳ぐ。

その行為に激怒した「セーラー」はプール間にある「ゲート」に体当たりし、ゲートを破壊してしまう。

そして、ゲートは人間が修理交換しなければならない。

・・・と、かなり長文な例になってしまいましたが、これと類似したことが起こっています。

これらをバタフライ・エフェクトと呼べるかはさて置き、このように必ずといっていいほど、動物たちの何気ない小さな行動は繋がっています。
上記の例え話では、最終的にゲートを修理交換することで終わっていますが、これが動物たちや人間の命に関わることに繋がるとしたらどうでしょうか?

微々たる小さなことも決して見逃せません。

今起こっている現象や動物達が見せる行動を瞬間的に感じ取ることができれば、その後にどう行動を起こしていけばよいか、どう修正すればよいかが見えてきます。

しかし、瞬間的なことだけを考えては動物を飼育することはできません。
なぜなら鯨類や鰭脚類の寿命はとても長いからです。
その動物の一生を考え、長期的なイメージを持つことも重要になってきます。

この「瞬間的」と「長期的」は、水族館での業務だけではなく、人が生きていく中でもとても重要なことだと私は思います。

この 2つが混在し、考え訓練できる「トレーナー」という仕事だからこそ、私はとても興味が湧き、もっと探究したくなるのだと思います。

イルカショースタジアム

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