2014年03月13日
トリーター:笠川

ニンギョウヒドラ

ニンギョウヒドラニンギョウヒドラ

クラゲサイエンスの小さな水槽がたくさん並んでいる水槽の一番右側の一番下の水槽に、これ?何?という生き物が入っています。謎の生物ではなく、ちゃんとクラゲの仲間です。といっても、あるクラゲのポリプの時代の姿です。


エラコ

みなさま、ミクロの世界へようこそ
私が見えますか?
私はよく見ないとわかりませんよ。
よく見えているのは、エラコ(ゴカイの仲間)です。
私は、そのエラコの棲管の入口に付いている『ニンギョウヒドラ』です。
エダクダクラゲのポリプの時代の私をそう呼びます。
人が万歳をしている姿に見えるところから、そんな名前が付きました。
手のように見えるところは触手で、頭のように見えるところは口です。
肉眼で見ると、エラコの棲管の入口にちょんちょんちょんと白っぽいものが生えている?としか見えないかもしれません。
特に、エラコの鰓冠が開いていると、よく見えなくなってしまいます。(※筒状のところが、棲管。そこから出たお花のようなものが、鰓冠です。)
多くのクラゲのポリプは、岩であったり、海藻であったりと、さまざまなものに付着しています。
ただ、私、ニンギョウヒドラは、エラコにしか付きません。
エラコからとってしまうとダメになってしまいますし、エラコが死んでしまうと、また私もダメになってしまいます。
私、ニンギョウヒドラは、ひとりでは生きていけないのです。


今回はニンギョウヒドラを擬人化してご紹介してみました。
なんとも不思議なポリプです。
初めて、エダクダクラゲのポリプが、これだと教えてもらったとき、最初よくわからなかったことを覚えています。


エダクダクラゲ

たまたま、エダクダクラゲのプラヌラが輸送してきた水の中に漂っていたので、本当にエラコにしか付かないのか確かめてみたくて、雰囲気が似ている、ハオリムシの棲管を入れてみたことがあります。
結果、付きませんでした。
やはり、エラコでないとダメなようです。
共生のメカニズムはまだ不明ですが・・・

このように、まだまだわからないことがたくさんあります。
クラゲは奥がかなり深いです。不思議な生き物です。
だから、面白い!
みなさまも、ぜひ、クラゲの不思議をどんどん知っていくと、興味がどんどん湧いてきますよ。

クラゲサイエンス

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