2014年04月30日
トリーター:鈴木

イルカ・クジラ雑学~鯨将棋~

こんにちは、鈴木です。
都合よくネタ集めし易そうな新たなシリーズを旗揚げしてみました・・。
今後ともよろしくお願い致します。

ちなみにみなさんこれ知っていましたか?
僕は全く知らなくて見つけた時は驚きました・・。

読み方はそのまま「くじらしょうぎ(英名Whale Shogi)」で、名前から素直に連想される通り将棋の一種です。
1981年に 2人でおこなうボードゲーム(盤上遊戯)の一種として、アメリカで誕生したそうです。その名の通り、全ての駒が鯨類の名前を持っています(なんだかわくわくする将棋じゃないですか!?)。
出生が海外なので日本ではあまり馴染みが無いようですが、国外では結構知られているらしいんですよ。
いやー驚きです。この業界に居ながらこんな面白そうなものを知らなかったなんて・・。(_ _)なんだか情けなくも思います・・。
まさに水族館でやったら楽しさ倍増の将棋ではないでしょうか!\(^o^)/
個人的に将棋は昔から好きなのでこれもぜひやってみたいですね。

それではさっそく遊び方などを含め、鯨将棋を掘り下げて話していきますね。
ではまず、気になる駒の種類ですが、『白鯨・ネズミイルカ・コククジラ・イッカク・ザトウクジラ・シロナガスクジラ・シャチ(それぞれ一枚ずつ)とイルカ( 6枚)』だそうです。
おお・・
なんといいますか、個性派なメンバーが揃っている気がしますね。それぞれの駒の動き方が気になります・・。
ちなみにこの中で王将にあたるのは白鯨です。なんで王だけは架空の鯨?と一瞬思いましたが、やはり王将を架空の鯨にしたのは、現存種から選んでしまうと、どうしてもそれ以外の種と上下関係ができてしまい何をもって王としたのか?という所で、多くの異論反論が出てしまうからでしょうかね。
確かに、王将ともなると、どうしても権力があり一番偉いとか、一番強いと想像されてしまいますからね・・。
地球上の全ての生物は、何億年もの月日の上に存在する進化の最前線ですので、それぞれが素晴らしく、そこに上下関係も優劣はないはずですからね。
・・・すみません、勝手に想像を膨らまして語りましたが、ただ単純にアメリカの国民的な冒険小説に登場する「白鯨」が有名なだけでしょうか・・。
ぜひこれらの選択理由を聞いてみたいですね。

すみません、脱線しましたが、とにかくこれらの駒を動かし、縦横 6× 6マスの盤状という名の大海原で自然界さながらの戦いを繰り広げるんです!!(^^)/(いやー興奮しますね!)
ルールについては、白鯨(王将)が取られると負けということや、取った駒は自分の持ち駒として使える所など、基本的なことは本将棋と変わらないのですが、一つ面白いのが、シャチは最初盤面に置かず、相手のネズミイルカを取った際にそのネズミイルカと交換で代わりにシャチを持ち駒として加えられるというルールがあるんですよ。(おっと、これはネズミイルカの移行がカギになりそうな予感が!?わくわくしますね)

すみません、ルールなどを全て説明すると長くなってしまいそうなので(すでに長いんですけど・・)、細かいルールや初期配置(並べ方)などについては下記のリンク先をご覧ください m(_ _)m

「鯨将棋」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AF%A8%E5%B0%86%E6%A3%8B

ただ、それぞれの駒の動き方などについては、いろいろと想像を膨らませて考えてみると面白かったので、上記のリンク先を参照しながら独自の見解(独断と偏見)を書いてみますね。(すみません・・、もう暫くお付き合いください m(_ _)m)

それでは駒の種類ごとに書いていきますね。

【白鯨 White Whale】
八方向に1マス動ける。
動きを見てもまさに王将ですね。ちなみに少し上でも触れましたが、白鯨とはアメリカの冒険小説『白鯨』に登場する白いマッコウクジラ「モビィ・ディック」のことです。(モビィ・ディックといえば、ある人気漫画の大海賊が乗る海賊船でお馴染みですよね・・すみません、余談です)

【ネズミイルカ Porpoise】
横に1マス動ける。これを取っても再度持ち駒として利用できず、代わりにシャチが持ち駒として加わる。
すなわちこれを取られると相手に最強のシャチが渡ってしまうということですか・・。
現代遊戯でいえば、さしずめネズミイルカを生贄にシャチを召喚といったところでしょうか。
それにしても、横にしか動けないという駒は将棋にはありませんね。こうなるとかなり動きが限定されますし、左右に他の駒があることを考えるとほとんど動けない駒ですね。
これは、もしかしたらこのネズミイルカは守るべき存在で、これを取られないようにするのもこのゲームの醍醐味なのかも知れませんね。
・・まさか、近年減少が懸念されているネズミイルカを守るという想いを込めているでしょうか・・!!?(考え過ぎですかね・・)いずれにせよ、この駒をうまく扱うことで勝敗に大きな影響が出そうですね。

【コククジラ Gray Whale】
前と斜め後ろに何マスでも進める。
将棋でいうと角行と香車がくっついたような駒ですね。
コククジラは外洋には出ず沿岸部を南北に往復し、現生哺乳類の年間の回遊距離としてはおそらく最長の約 2万kmを回遊するといわれますが、この生態がこの駒の動きの理由なのでしょうかね。

【イッカク Narwhal】
横か後ろに 1マス動ける。また 2マス前へ駒を飛び越えて動ける。
将棋でいえば圭馬のようなイメージの動きですね。イッカクは伝説の生物であるユニコーンのモデルとなったといわれていますが、これをイメージして馬なのでしょうか。

【ザトウクジラ Humpback Whale】
斜め四方と後ろに 1マス動ける。
将棋でいうと金将・銀将を併せた様な器用に動く駒ですね。なんだか、ブリーチングやスパイホップなど攻守で活躍できそうな駒です。

【シロナガスクジラ Blue Whale】
前、斜め前、後ろに1マス動ける。
ザトウクジラを金将とするならばこちらが銀将でしょうか。前方向に進むのが得意そうな駒ですね。やはり世界最大の生物は横筋には目もくれず、これからも真っ直ぐと己の道筋を進んでいくということでしょうかね(??)(・・意味不明ですね)。単純に大きいからこの狭い盤状では小回りが効かないだけでしょうか・・。

【イルカ Dolphin】
前に 1マスだけ動ける。
ただし最終列にいる時だけは斜め後ろに何マスでも動ける。

自駒数をみてもこれは完全に歩兵ですね。
ちなみに、自分のイルカを同じ縦列に同時に 3つ以上置いてはいけないという将棋の「二歩」ならぬ「三歩」もしっかりとあるんですよ。この場合は「 3イルカ」ですかね(笑)
他にも、「打ち歩詰め(手駒の歩を打って王将を詰むこと)」ならぬ「打ちイルカ詰め」も同様にダメなんですって。あ、もちろん「突き歩詰め(歩を動かして王将を詰むこと)」ならぬ「突きイルカ詰め」はOKですよ!(将棋を知らない方すみません・・)。
それにしてもなんだか豪華な歩兵ですね・・。こんな好奇心旺盛な歩兵が前だけを一歩ずつ進んでいたらいつか絶対飽きるでしょうね(笑)(あ、だから最後まで行ったら下がれるのかも・・!?・・まあ、違うでしょうね、すみません)

【シャチ Killer Whale】
斜めに 1マス動ける。また縦横に何マスでも動ける。
最初は盤上にはなく、相手のネズミイルカを取った時、その代わりに持ち駒に加わる。

これは最強の駒ですね・・。
将棋でいうといきなり飛車の成駒の竜王ですよ。王を脅かす最強の刺客です。さすがに食物連鎖のヒエラルキーのトップに君臨するだけのことはありそうな駒ですね。
ただ、ネズミイルカは取られた段階で完全に盤状から消失し代わりにシャチが加わる、ということを考えると、やはりこの場合ネズミイルカはシャチに食べられてしまっているんでしょうかね・・。
やはり盤上の海とはいえ、生物たちにとっては厳しい環境であることになんら変わりは無いのですね。(奥が深いですね・・)

以上です。
いやー、こうやって見るとほんとかどうか、やはりそれぞれの生態等に則して駒の動きは考えられているんでしょうかね。製作者にぜひ意図を伺ってみたいものです。

いかがでしたか?
ほんと、面白い物があるんですね。
ちなみに、調べるとまだまださまざまな将棋があるらしく、他にも同じようなもので禽将棋(とりしょうぎ)というのもありました。鯨将棋の鳥版ですね。
あと子ども向けのかわいらしい絵駒の動物将棋というのもありましたね。これら 2つは日本で誕生したようです。
本将棋の他には軍人将棋しか知らなかった私には、色々と勉強になりました。
あ、ちなみに軍人将棋もおもしろいんですよー(^^)
スパイで大将を獲った時のあの興奮は何ともいえません!(・・すみません、なんだか小さい頃の父との激戦の日々を思い出して懐かしく熱くなってしまいまして・・余談でした)(^_^;)

ただ、この鯨将棋どこで購入できるかが不明で、調べても見つからないんですよ・・。
禽将棋はインターネットなどのショップにあるんですが。まあ、作れなくもないですが、ぜひ市販の駒を見てみたいですね。
あとはおそらく戦術などもあるんでしょうかね。
本将棋と同様にいろいろな攻め方、守り方があるのではと期待しています。
本将棋の矢倉囲いや棒銀戦法のように、例えば入江囲いやバブルネットフィーディング戦法・・なんて、ユニークなネーミングをつい期待してしまいます(笑)
えのすい鯨将棋大会!なんてのも面白そうですね(^^)/
夢が膨らみますね!

もし詳しい方がいましたらぜひご教授お願い致します m(_ _)m

最後に、文中にいろいろとマニアックな将棋用語が出てきますが、そちらの説明は割愛させていただきました。
将棋を経験したことが無いみなさま、大変申し訳ありませんでした・・。m(_ _)m

それでは失礼いたします。

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