2014年09月29日
トリーター:西谷

こんにちは、赤ちゃん♪

赤ちゃんイルカと「ミュー」赤ちゃんイルカと「ミュー」

最近ある出来事によって、入社 1年目からこんなことに出会えてラッキーだな、という気持ちと、もう待ち遠しくてうずうずする気持ちにさせられていました。
それは何かというと...

バンドウイルカの出産です!
とうとう、「ミュー」が赤ちゃんを産んだのです!

以下の記事は、「ミュー」が出産する前日に書いたものなので、そのつもりで読んでください。



ナイトアクアリウムで案内板を見てご存じの方もいらっしゃると思いますが、今ブリーディングプールで生活している「ミュー」は、そろそろ出産を迎える妊婦です。
他のイルカと比べるとかなりお腹が大きくなっているのですぐにわかると思います。
「ミュー」は今まで何度も出産・育児を経験しているベテランママで、時には他のイルカが出産した子のお世話をこなすおばさんとしても活躍します。

先ほどそろそろ出産の予定といいましたが、きょうは「ミューの出産予定日をどのように予測したのか」についてお話しします。

まずその前に、どうやってイルカたちの妊娠を知るのかというと、妊娠のときに上昇する血液中のホルモンを確認しています。さらに、超音波検査(エコー)でお腹の中に小さな赤ちゃんがいることも確かめます。今回の「ミュー」の妊娠も、この両方で確認しました。

それでは本題の出産予定日の予測に移りましょう。

まず、一番いい指標になるのが、オスと交尾をした日です。
人間の妊娠期間は十月十日、実際には約 280日といいますが、バンドウイルカの妊娠期間はそれより 100日ほど長く、約 380日です。ですので、交尾が確認された日から 1年を過ぎた頃がだいたいの出産予定日となります。

他の指標として、“えのすい”では赤ちゃんの頭の大きさを測る方法も使用しています。
赤ちゃんの頭は、もちろん「ミュー」のお腹の上からは見ることができません。
そこでどうするかというと、妊娠判定にも用いた超音波検査の登場です。
超音波検査で赤ちゃんの頭の大きさを測定するという研究が重ねられた結果、「赤ちゃんの頭がだいたいこの大きさになると生まれる」ということがわかってきました。
こうして、あとこれくらい大きくなるにはこれくらいの日数がかかるから・・・出産まであと○日、というふうに出産予定日を計算し、予測しています。
また、超音波検査を続けていると、日に日に赤ちゃんが大きくなっていくので、成長を実感しています。

しかし、このように計算された出産予定日はあくまでも予測ですので、予定日に近づくと毎日、きょうかな、あしたかな、とドキドキします。
そんなとき、出産の最後の目安となるものがあります。
それは、体温の低下です。

例外もありますが、イルカは出産を迎える数日~数時間前に体温がガクっと低下することが知られています。
気になる「ミュー」の体温はというと、きのうの夕方から少し下がっています!
もうすぐ赤ちゃんが見られるかもしれません。

以上、少し長くなりましたが、出産予定日の予測についてお話しさせていただきました。
先日行った超音波検査では、赤ちゃんの心臓が脈打つところも確認されています。
「ミュー」が無事に元気な赤ちゃんを産めるよう、トリーター一同祈っています。
早くみなさんによいご報告ができますように♪



はい、無事によいご報告ができ、本当にうれしいです。
これからは子育てが始まります。赤ちゃんイルカが元気に育ってくれるよう、万全な体制で「ミュー」を支えていきたいと思います!

※特別企画「ナイトアクアリウム」は 11月 30日をもって終了いたしました。

イルカショースタジアム

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