2015年03月31日
トリーター:冨永

タコが好き

ミズダコミズダコ

私は、タコが好きです。タコを見ていると、何も考えていないような、はたまた全部を見透かされているような、そんな不思議な雰囲気を感じます。目も大きくて、なんだかこちらが見られているようです。
“えのすい”には数種類のタコがいますが、そのなかでも私のお気に入りはミズダコとメンダコです。

現在展示しているミズダコは、はじめはバックヤードで飼育していました。水族館にやってきたときには、あまり元気がありませんでしたが、徐々に体力を取り戻し、食欲も増していきました。
ミズダコにご飯をあげるのが密かな楽しみでした。ミズダコの腕の力はものすごく、掴んだものはまず離しません。ピンセットで餌をあげていて、うっかり手を離すとピンセットごと持っていかれてしまう程です。

バックヤードのミズダコが展示水槽に出た時には、大きな水槽でしばらく戸惑っていましたが、今では元気な姿を見せています!
夜行性のミズダコですが、最近では日中でもみなさんのことを観察するように大きな眼でこちらをみています。

お気に入りのもう一種がメンダコです。メンダコは、飼育をしてみると今までと違った印象を持ちます。今までは、パタパタとしたお耳で泳ぐその姿がとにかくかわいい! というイメージでした。もちろんそのイメージは今でもあるのですが、じーっと砂の上にいるメンダコを見ているとなんだか妖艶な雰囲気を感じます。

バックヤードにいるメンダコは真っ暗な小部屋のようなところで飼育しています。その小部屋に入って暗い中、赤いライトに浮かび上がるメンダコを見ていると本当に不思議な気分になります。水槽の中で目を閉じていたメンダコが、私の気配に気づいたのか、ゆっくり目を開け、こちらを見てきます。

メンダコに見つめられていると話しかけられているような、なんともいえない気持ちになります。そして、もっとこのメンダコのことが知りたくなるのです。なぜ泳ぐの? 何を食べているの? どんな環境が好きなの?
不思議な不思議なメンダコ、少しずつでいいからもっと色々教えてね。

みなさん、タコをじっくり見てみてください。きっとみなさん一人ひとりが違う印象を持つはずです。


メンダコ

相模湾ゾーン

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