2017年03月06日
トリーター:加登岡

「マリン」の挑戦

3月に入りましたが、まだまだ寒い日は続きます。日々太陽の日差しの暖かさに感謝しながら仕事をしております。
しかし、そんな寒さを無視した種目の練習をバンドウイルカの「マリン」としています。
それはジャンプをした後にお腹から水面に落ちて、大量の水しぶきをあげる種目です。
“えのすい”ではベリービートといっています。

もともとこのジャンプ、「マリン」はできていました。しかし、ジャンプの高さが出ず、尾びれが水面から出ない高さでお腹を打ち付ける程度でした。これでは高さがないぶん水しぶきの量も少なくなってしまいます。
そこでこのベリービートのクオリティーを上げるべく、再トレーニングを開始しました。

トレーニングの方法としては、「マリン」がたまたま高く飛んだところを褒めるやりかたがあります。しかし、これでは「マリン」の気分次第。いつこちらの求めている高さで飛んでくれるかわかりません。そして「マリン」の性格上、なかなか高く飛ばず、褒めてもらえないとイライラするはずです。
そこでターゲットという目標物を呈示する方法を選びました。これで「マリン」にこの高さまで飛んでねということを伝えます。

このターゲット形状はさまざまで短いものもあれば長いものもあります。棒状のものが多いです。動物のトレーニングではよく使用されるものなのですが、ここでも少し問題がありました。「マリン」、このターゲットを噛んで遊ぶのも好きなんです。
そのためターゲットを持っていかれて遊び道具にされてしまう心配もありました。
しかしこの方法のほうがうまくいく可能性が高いため、ターゲットを使用する方法で臨みました。

結果は、ターゲットを追って全身が水面から出る高いジャンプを飛んでくれています。ターゲットで遊ぼうとするようすもまだありません。
ターゲットを呈示しないと高さがでませんが、ゆくゆくはターゲットという目標物がなくても高いジャンプを飛んでくれるようにトレーニングを進めて行きます。

「マリン」には多くのファンがいます。先日はわざわざ四国から「マリン」に会いに来てくださったかたもいました。「マリン」担当者としては嬉しい限りです。そんな「マリン」と今年の夏までに、ベリービートを完成させられるように練習に日々励みます。

きずな/kizuna

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