2017年03月23日
トリーター:唐亀

春の海によじよじ

えのすいクラゲの日えのすいクラゲの日

先日、当館の企画イベントの一つ「夜のえのすい研究会」に向けて よじよじ して回りました。静岡方面から三浦方面の十数か所の漁港を回ってきましたが、各場所で採れる生き物が違っていました。

春、海や湖等では「ブルーム」という現象が起こります。植物プランクトンが爆発的に増える時期で、これを餌とする動物プランクトンが増え、海が豊かになるのです。
冬場の海はとても透明度が高いのですが、全体的にプランクトンが少ないためなのです。冬場にクラゲ採集に行っても、クラゲはおろか何も網に入って来ないことがほとんどです。逆に夏場になると透明度が落ち、よじよじするといろいろなプランクトンが入ってきて、その中からクラゲをより分けるのが大変な位です。特に三浦方面ではヤコウチュウの数が物凄いです。

今回、静岡方面の港ではケイソウ類の植物プランクトンとコペポーダ類が多く見られました。真鶴方面ではシミコクラゲが多く入りました。三浦の内湾の港ではあまりこれといったものは入りませんでしたが、先端付近ではカブトクラゲも見られ、よじよじするとカイアシ類はもちろん、ゴカイ類やアミ類等いろいろなプランクトンが入りました。マキビシガイも入り、かなり面白い場所でした。

企画イベント「えのすいクラゲの日」でも、よじよじはクラゲ採集の手段としておこなっています。持ち帰りソーティングした後、見向きもしなかった小さな生物も、一匹一匹顕微鏡で見てみると、魅力的な形や色彩をしていたり、面白い動きをしていたり、ちょっと興味が湧いてきました。みなさんも機会がありましたらよじよじしてみませんか。

[ 2017/ 02/ 19 「よ じ よ じ」 ]

RSS