2019年02月23日
トリーター:杉村

メンダコ チャレンジ2019 その2 & 深海生物トピックス

どうですか?この貫録!どうですか?この貫録!

前回の 2019/01/27 メンダコ チャレンジ2019 その1 から少々時間が経ってしまいましたが、今年 1回目のチャレンジの報告です。

今年の1回目のチャレンジは 1月 19日から 2月 11日までの 23日間の飼育でした。
最初の 10日間は、水底でじっと動かない日が続き、身体に砂をかぶっているようすが観察されていました。
展示水槽に移動してからすぐは、水槽の壁にくっついて動かない日(水槽の光を避けているのかな?)がありましたが、その後数日は水底でじっとしていて摂餌も観察できていたので、ほっとしていました。

ところが、10日目を過ぎたあたりから、しきりに泳ぎ回るようになりました。
メンダコが移動するときは、ほぼ匍匐前進するようにゆっくり水槽を這うように移動し、時折泳いだりもするので泳ぐことはいいのですが、泳ぐ行動の回数が増えてくると摂餌も無くなってしまう傾向があります。
光を変えてみたり、水温を変えてみたりといろいろ実験していますが、まだまだ課題は多いようです。

飼育後は解剖などをおこないメンダコの繁殖や生態の調査を始めています。
今年はあと数回、チャレンジする予定を立てていますので、まだみなさんにお見せする機会があると思っていますので、今後の情報に注目していてください。

深海生物トピックス!

メンダコとは別に、いま注目の深海生物は「オキナエビ」です。
オキナエビの見た目は、毛むくじゃらのサリガニです。
なぜに注目かといえば、まずは今年の深海新着生物であること!
そして、“えのすい”ではまだ 24日ですが・・・長く飼育展示ができていることです。
[ 全身毛むくじゃらのおじいさん?!「オキナエビ」 ]

これまでオキナエビを入手して展示水槽で公開することはありましたが、状態はよくなく、水槽内でもほとんど動かないため行動の観察をする間もなく展示終了ということが多々ありました。
ですが、現在飼育中のオキナエビは、重たそうな大きなハサミを持ち上げて水底を移動したり、穴の中に入ったり、穴に入ってくる邪魔なものを移動させたりと、その行動は見ていてなかなか飽きません。
今まで、えのすいでは見ることができなかった行動をゆっくり見るチャンスです!!
これから、どこまで飼育観察できるか分かりませんが、じっくりと見ていきたいと思います。

メンダコの情報ともども、これからのえのすいの深海生物情報にご注目ください。


ハサミを持ち上げて移動中

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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