2024年01月07日
トリーター:八巻

夜の水族館

あけましておめでとうございます! 八巻です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

新年 1回目のトリーター日誌は、ちょうどきょう当直でしたので、当直業務について紹介しようと思います。
“えのすい”では毎日トリーター 1名が当直として水族館に泊まって、生き物たちのようすを見守ったり、機械トラブルに備えたりしています。例えば水温が設定から大きく外れると警報が鳴り、知らせてくれます。そのようなときはすぐに水槽にかけつけ、原因を調べてできる対応をします。設備を担当する職員の当直もいますので、設備関連のトラブルが起きても安心です。
警報への対応だけでなく、夜に 1回、朝に 1回水族館全体を異常がないか見回ります。夜の生き物たちはふだんとは違った姿を見せてくれるので、見回りの時は思わぬ発見もあったりします。
きょうはそんな夜の見回りのときの生き物たちのようすを写真に撮ってみましたのでご紹介しますね。

夜の見回りでは、生き物の観察の他に、餌をあげることもあります。シラスの餌になるワムシという動物プランクトンを育てるために、植物プランクトンを餌としてあげています。これは定期的にあげる必要があるため、夜の見回り時にも給餌をしています。

ワムシの培養槽ワムシの培養槽

私はいつも入口の水槽から順番に見て回ります。
出会いの海の水槽では、ツバメウオが夜間の黒っぽい体色になって寝ている姿が見えました。

濃い色になったツバメウオ濃い色になったツバメウオ

いつもは大水槽の底の方で泳いでいるカゴカキダイが、水槽の上の方の長窓近くで群れていました。夜は昼間とは違う場所にいることもあります。
岩礁水槽ではメバルが岩の隙間で寝ています。

左:長窓のあたりに群れるカゴカキダイ/右:岩の間で休むクロメバル左:長窓のあたりに群れるカゴカキダイ/右:岩の間で休むクロメバル

相模の丸窓のところでは私の大好きな魚、クエが休んでいました。夜はここで見かけることが多いように思えます。
マダコは夜行性なので、夜の方が活発に動き回ります。

左:相模の丸窓近くで休むクエ/右:活発に動き回るマダコ左:相模の丸窓近くで休むクエ/右:活発に動き回るマダコ

ヤギの骨軸などのレイアウトは、魚たちが休むには最適の場所のようです。

ヤギの骨軸に寄り添って休むサギフエやキツネダイ、シキシマハナダイ、ミゾレウツボヤギの骨軸に寄り添って休むサギフエやキツネダイ、シキシマハナダイ、ミゾレウツボ

深海に昼夜の区別は無さそうですが、いつもじっとしているコツメキンセンモドキも動き回っています。夜の大水槽は常夜灯の光で照らされて、日中とは違った美しさがあり、とても好きな光景です。

左:コツメキンセンモドキ/右:夜の大水槽左:コツメキンセンモドキ/右:夜の大水槽

クラゲ類のように昼夜でほとんど行動の変わらない生き物もいます。

パシフィックシーネットルパシフィックシーネットル

カクレクマノミがアラビアハタゴイソギンチャクで休むようすは、いつも気持ちよさそうでうらやましく思いながら見ています。
トロピカル水槽でもサンゴの隙間は寝床になっています。

左:アラビアハタゴイソギンチャクに包まれて休むカクレクマノミ/右:サンゴの隙間で休むナンヨウハギ左:アラビアハタゴイソギンチャクに包まれて休むカクレクマノミ/右:サンゴの隙間で休むナンヨウハギ

この後は海獣類の見回りですが、海獣類は灯りを当てると驚いて起きてしまうので、写真もほとんどとれませんでした…イルカたちは近くを通りかかると近寄ってきますので、かろうじてイルカっぽい写真が撮れました。
イルカショースタジアムに向かう途中できれいな夜景が見えるのも、とても好きな瞬間です。

左:通りかかると寄って来るバンドウイルカたち/右:夜景の映る相模湾左:通りかかると寄って来るバンドウイルカたち/右:夜景の映る相模湾

見回りが終わると飼育事務室に帰ってきますが、もう一仕事、洗濯物が待っています。水族館では人畜共通感染症予防のため、制服は全て水族館で洗っています。大量にあるのでいかに効率よく洗うか、ということが大切で、洗う順番を変えてみたり、チームごとに分けてみたり、日々試行錯誤をしながら頑張っています!
洗濯が終わったら仮眠をとり、翌朝の作業に備えます。

今年も一年、いろいろと頑張っていきます。改めて、よろしくお願いいたします。

乾燥庫に干した洗濯物乾燥庫に干した洗濯物

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