2015年10月09日

湯河原ソコイトヨリ採集(1)準備編/鈴木

  • 期間:2015年10月9日
  • 場所:神奈川県 湯河原
  • 目的:乗船採集展示
  • 担当:鈴木・神応・岩崎


鈴木「ソコイトヨリ採集に行きましょう!」
(ソコイトヨリ飼育)経験者のトリーター「・・・うーん(苦笑)」
鈴木「(・・あれ?反応が宜しくないです・・) 釣るの難しいんですか?」
経験者のトリーター「・・釣れるんだけどね、生きないんだよなー」
(うーん、どうしたものか)

ソコイトヨリ・・
あまり馴染みがないかも知れませんが、やや深いところにいる、イトヨリダイ科の仲間で、大変美味しい魚です。名前の由来は、漢字で書くと「糸撚鯛」と書くように、尾鰭(おびれ)の先端が金色の糸状に伸び、泳ぐ様子がこの金糸を撚(よ)っているように見えることから付いたそうです。名前もそうですが大変きれいな魚で、ぜひともみなさんにも見ていただきたい魚です。

以前一度、釣りにて採集し飼育をしたことがあると話には聞いておりましたが、うまく生かすことができず、あまりいい思い出がないとのことでした。
それもそのはず。どうやらこの種は圧力変化にとても弱いのか、それほど極端に深い所から上げてくる訳ではないのに、釣り上げてくるとほぼ100%、口から出てしまうくらいうきぶくろが膨らんでしまう種らしいのです。
それをうまく処置できなければ、内臓が圧迫され死んでしまいますし、うまく処置できても、生き残るのは1割程度とのことでした。
苦労して生かして持ち帰っても、残るのが1割では・・・なかなかよし、やろう! とはいえなくて当然です。これは難易度高そうです。
ただ、いろいろと改善の余地もありそうで、完全に無理ということでも無さそうです。

例えば・・
以前は十分な予備水槽がなく、持ち帰ってすぐに展示せざるを得なかったこと。
釣り場が静岡県と遠く、輸送にかなり時間がかかったこと。
トラックに積んでいた生物輸送用のタンク内の海水が日光で温められ、採集場所の海水温と差が出てしまったこと、等です。

しかし、今回は・・
予備水槽: 以前より大幅にリニューアル、アップデートされて、かなり収容力があります。
これなら、一旦予備水槽で環境や水温に慣れさせたり、キズ等をトリートしたりできます。
釣場: お馴染みの天恵丸さんなので湯河原です。“えのすい”から約1時間とだいぶ短縮!
海水タンクの水温上昇: 上昇しても冷やせるようにペットボトル氷を大量に持って行き、冷やせるようにします。  

鈴木「どうでしょうか・・」
経験者のトリーター「よし、じゃあリベンジやってみるか!」
(やりました!)
勝算はありそうです。さてどうなるか・・楽しみです!

採集編 につづく)

相模湾ゾーン

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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