2009年04月14日
トリーター:伊藤

泥の海を訪ねて( 4)


川にいる違和感

フジツボといえば、先月のテーマ水槽で根本トリーターが特集し、私たち身内の者も、その面白さを再確認させられました。
エビカニの仲間だとは知っていましたが、恥ずかしながら、あのツルのような突起が、あしが変化したものだとは知りませんでした。

ところでフジツボは全て海産であり、淡水にはいないというのが通説のようです。
しかし、川の下流、海水が混ざるようなところでは本種に出会えるのです。

シロスジフジツボ

その名の通り、殻にうね状のすじがある 1.5cmほどのフジツボです。
先日、とある河口干潟に行った際、そこにはえたヨシの茎にびっしりと本種がくっついていました。
ヨシ原とフジツボ、なかなかの違和感です。
本来海にいるべきものが川にいると、何だか不思議でわくわくします。
同様に考えて見ると、植木に巻貝(カタツムリ)、海に川魚(ウグイ)、道ばたにカメ(これはちょっと違いますね)なども「いい感じの違和感」をかもし出していると思えませんか?

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シロスジフジツボ シロスジフジツボ

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