2010年07月20日
トリーター:根本

深海コーナの裏では その 2


連休も終わって少し落ち着いた感じですが、外はもう夏休みです。目の前の浜辺には海の家が建ち並び、水着のギャルが歩き回わり若者で賑わっています。
私は馴染めなそうです・・・ 。

きのう、個室に入れた卵持ちのユノハナガにも問題なく元気に暮らしています。
個室に入れた直後は上へ上へと上って行こうとしてなんだか落ち着かないようすでした。
個室の外のユノハナガニも同様に上へ上ろうとしていたので、個室作りと同時におこなった掃除のせいでびっくりさせてしまったのかもしれませんね。
しかしなぜ上なんでしょう?
普段は捕まえようとすると素早く岩の隙間に隠れたりするんですけどね。パニックを起こすと、とにかく登ってしまう性格なんでしょうか?

ユノハナガニは伊豆小笠原弧の深海の熱水噴出孔の近くに住んでいて、その生態系ではかなり上位の生き物といえると思います。
ユノハナガニの敵といったら何でしょう?
ユノハナガニを食べる生き物?
ソコダラやチゴダラ、ホラアナゴの類いは近くを泳いでいますが、こういう魚が食べているのでしょうか?
オオエンコウガニという巨大なカニが熱水噴出孔の周りをフラフラ歩いているのをよく見かけるので、コイツが天敵なのかもしれませんね。
ただ、仲間同士でも結構やり合うこともあります。
日光海山ではユノハナガニがユノハナガニをつかんで引きずり回していました。
水槽内でも普段はおとなしく、時には団子のようにくっ付きながら水槽内に作り出した熱水集まっているくせに、餌をまくととたんに奪い合いの喧嘩を始めます。
深海の過酷な環境がユノハナガ二の性格をそうさせるのでしょうか。
悲しい事に喧嘩の末、片腕になってしまう事もあります。
しかし、餌を掴んだとたん、一気におとなしくなり一心不乱に食べ始めます。
同時にみんなの空腹を満たすことがユノハナガ二を喧嘩させないコツのようです。

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[ 深海コーナの裏では ]

個室の中の岩の上で落ち着く卵持ちユノハナガニ (C)JAMSTEC個室の中の岩の上で落ち着く卵持ちユノハナガニ (C)JAMSTEC

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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