2012年09月16日
トリーター:加登岡

ハッ、はっ、歯


上顎に生えた親知らず、奥にある歯は磨きにくくて毎日苦戦しています。
なのに下の親知らずは一向に生える気配がありません。
そんなことはさておき今回はイルカたちの歯についてのお話です。

クジラの仲間はヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目の 2つのグループに分けることができます。
ヒゲクジラの仲間は口の中にヒゲ板が並んでおり、これを使って水中のプランクトン等を濾して食べています。
一方でハクジラの仲間はその名の通り、口の中に歯が生えています。
その歯の形や数も種類によって様々で、さらに食性によって変化していきます。

当館にいるバンドウイルカは、小さく尖った歯が上下それぞれの顎に 18~ 26対生えています。
これは小型の魚を食べる際に捕まえたりするための歯で、切り裂いたり咀嚼したりするための歯の形ではないのです。
バンドウイルカは小型の魚を丸呑みするため、切り裂く必要が無いからです。

一方でオキゴンドウは、大型の魚や小型の哺乳類も食べることがあるため、大きく丈夫な先の尖った歯が上下の顎に 7~ 12対生えています。
これは獲物が大きく丸呑み出来ないため、かじりとって食べられるようにするための形です。
もちろん顎の骨もがっちりしています。

最後に、ハナゴンドウには下顎の先端に 2~ 7対の歯があるだけで、上顎には歯が生えていません。
ハナゴンドウの主食はイカの仲間です。
このイカを食べる時には吸い込むようにして食べています。
歯が少ない代わりに口蓋にはザラザラした固い畝があり、イカが滑らないようになっています。

それぞれ食べる物によって歯の形を変化させてきたのです。
“えのすい”に遊びに来た時には、ぜひイルカたちの口の中にも注目して見てください。

バンドウイルカの歯バンドウイルカの歯オキゴンドウの歯オキゴンドウの歯ハナゴンドウの歯ハナゴンドウの歯

イルカショースタジアム

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