2012年12月20日
トリーター:大内

年の瀬の試練


いよいよ年の瀬に近づき、冬の寒さが身に染みるようになってきましたね。
さてさて前回お伝えしたK君のオキゴンドウの「セーラー」の採血の引き継ぎ結果ですが・・・

無事に採血をすることができました。
引き継ぎもできてホッとしたのもつかの間、今度は自分にも試練の時がやってきました。
私が担当しているバンドウイルカの「パル」なんですが、ここ数か月、採血ができていません。
やはり採血は痛みを伴うものなので嫌がってしまうのです。
嫌がるとどんな行動をするのかというと、

採血をする場所に来ない
その場所に来ても採血をする尾びれを持たせない
尾びれを持っても身体をくねらせ針をさせないようにする


と、具体的なことをあげればキリがないですが、「パル」の場合一番困ってしまうことは、嫌がり過ぎて私から魚を食べなくなってしまうことがあるんです。
「パル」が嫌だと思う採血のトレーニングばかりをやろうとすると、

嫌なことをやらせようするアイツも嫌だ

となってしまうらしく、給餌の時も私のところに来ようとしなくなってしまうのです。
そうならないためにも「パル」のようすを見ながら、いや「パル」のようすをうかがいながら採血のトレーニングをやってきていました。

はじめは採血をする場所に行くだけ
次にそこで尾びれを持つ
そして、爪楊枝で尾びれを刺激する


と順を追って慎重におこない、つい先日採血の日を迎えました。
失敗は「パル」にとって採血に嫌なイメージが残っているということになります。
これをまた完全に取り除くには、かなりの時間がかかります。
そのことが頭をよぎっていたので緊張しましたが、緊張とは裏腹に「パル」は落ち着いていてなんなく採血は終わりました。
思わず安堵感で笑顔になってしまいました。
しかし今回たまたまできただけかもしれません。
これを毎回できるように、お互いの信頼関係を保って行かなければなりません。
「パル」に嫌がられないように、

この人だったら安心だ

と思ってもらえるように、「パル」との信頼関係も今以上に築いていきたいです。

バンドウイルカ「パル」バンドウイルカ「パル」

イルカショースタジアム

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