2013年08月01日
トリーター:佐野

もうひとつの初産

トラフザメの卵トラフザメの卵

先日バンドウイルカの「シェリル」が初めての出産をしました。まだ子どもはしわしわで、「シェリル」が寄り添って泳いでいます。かわいいです。
この話はイルカのトリーターに詳しく伝えていただくとして、私からは魚の“初産卵”のお話です。

「シェリル」の出産よりも 3週間ほど前、実はサメ水槽でもトラフザメが初産を迎えておりました。

朝、水槽の底に 3つの黒い物体が。
引き上げてみると卵でした。(残念ながら、サメ水槽にはオスのトラフザメはいないので無精卵なのですが・・・。)
全長 2メートルほどのトラフザメですが、卵はたったの 15センチです。卵の端にはべたべたした膜がくっついています。ゴムのような感じで伸び縮みします。この膜が糸のようになって海藻などに巻き付き、卵を固定させます。

この膜、強さはいかほどかと思い、サメ水槽内のロープに巻き付け、水中で引っ張ってみましたが、かなり本気で引っ張ってもちぎれませんでした。
有精卵の場合、ふ化までに半年以上かかりますので、流されないようがっちり固定されるのですが、これほどとは!

その後も断続的に産卵し、現在 12個産卵しました。
その結果、産卵したと思われるトラフザメは驚くほどお腹が細くなり、心配ではありますが、餌は毎日もりもり食べているので、しばらくようす見です。
子どもは生まれてこないけれど、ここまで順調に成長してくれているのは嬉しいです。いつかオスのトラフザメを入れてあげられたらなと思います。

サメの卵は種類によって形は様々です。その中でもなかなか個性的な形のネコザメの卵はタッチプールで触ることができます。初めてタッチプールでご覧になる方は、ほぼ 100%びっくりされています(佐野調べ)。ぜひご覧になってください。

太平洋

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