2010年11月17日
トリーター:足立

流れ星の残像 その 5


~フジテレビ 月9ドラマ「流れ星」放映中 新江ノ島水族館が主人公の勤務先という設定になっています~

新江ノ島水族館のクラゲ生産室。
ミズクラゲの水槽の前で、何やら観察している健吾。
よく見ると水槽の中に、水中スピーカーらしきものが入っている。

川本
「クラゲに音楽聴かしてどーすんだよ、脳もないのに?」

健吾
「クラゲが音に反応するって実験、あったじゃないですか」

ちょっと楽しげな二人の会話。

音楽を聴かせると良く育つ野菜とか、音楽を流すと寄ってくる魚というのはありましたね。
クラゲでもそんなことができれば良いのですが。

さて、実際はどうなのでしょう。
「音(波)」も「波」ですから、そう考えれば、感覚器や神経を持っているクラゲが反応しても、不思議なことではないような気がします。

以下は、ジェーフィッシュ著「クラゲの不思議」技術評論社 からの抜粋です。

「現在までに、クラゲが音に反応して神経が興奮したことを示す事実は発表されていません。このため、クラゲの明瞭な聴覚機能は、今もって不明です。

神経系の実証はまだありませんが、クラゲが音に対して反応したことを記録した実験結果はあります。
水槽中のミズクラゲに対して、水中スピーカーで 10、100ヘルツの低周波音を流したところ、傘の拍動が活発になったのです。逆に、1千、1万ヘルツの高周波音を流すと、拍動の活発が低下しました。

クラゲには発音器官はありません。このため、クラゲが体内から音を発することはありません。しかし、クラゲは動いて音を発します。クラゲが拍動すると、周りの水が緩やかに振動し、極めて低周波の音が作り出されます。この音の役割は不明ですが、もしかしたら、クラゲ同士がコミュニケーションを取っているかもしれません。」

まだまだわからないことだらけのクラゲ。未発掘の宝物が隠れていそうで、興味は尽きません。
さまざまな分野の研究者の方が、クラゲを材料とした共同研究や研究協力のお話を持って来てくださいますが、不思議なこと、面白いことが発見されるのは、とても楽しいことです。
そんな研究の一端に関わることができるのは、飼育係の役得ともいえますね。

バックナンバー
[ 流れ星の残像 その 4 ]
[ 流れ星の残像 その 3 ]
[ 流れ星の残像 その 2 ]
[ 流れ星の残像 その 1 ]

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